女性政治家は、本当に"名誉男性"なのか 第1回 「女子力」で地域の課題を解決

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「育児や介護などライフサイクルを想像していくと地方政治への関心が持てる」と、有権者に呼びかける東京・港区議会議員の柳澤さん(芝公園にて、筆者撮影)
東京都議会のセクハラヤジ、政務活動費の不正流用した兵庫県議の号泣会見、女子中学生にLINEで威圧的メッセージを送った大阪府議、20人中15人の市議が逮捕された青森・平川市議会――こうした数々の不祥事により、「地方議員」は異例の注目を集めた。いったい地方議員は何をしているのか。本連載では、ネット選挙のコンサルを手掛け、新聞記者時代に地方議員の取材を経験した筆者が、当事者の声を聞き、地方議会、議員のこれからを模索する。

 

閣僚になる女性は「名誉男性」!?

女性の活躍推進を謳った第2次安倍改造内閣は、船出早々に2人の女性閣僚が辞任した。近頃、ウェブ上では「名誉男性」という見慣れぬ言葉が目に入る。男性的価値観を身に着けた女性を意味するスラングらしい。先日もFacebookで、友人の女性が「名誉男性を登用して女性の輝く社会と言われても」と率直な疑問を書き込んでいた。彼女は最近再婚するまでシングルマザーだった。

友人は「待機児童を抱え、激務の夫に家事育児を手伝ってもらえない。実家も頼れないなかで働くような女性を登用してほしい」とも望んでいた。現実的ではないが、女性の平均的な本音かもしれない。

多くの人には、国会だけでなく地方議会の女性議員も、政治家である以上は、やはり男性的である、との思い込みがあるかもしれない。しかし、実際はそうではない。東京・港区議会の柳澤(やなざわ)亜紀さん(33歳)は現在1期目。この4年弱、まさに女性の人生の悩みを投影した政治生活を送ってきた。

徳島生まれで、大学まで四国で過ごした後、資生堂に入社。デパート担当の営業を務めた。「昔から人のために働きたい思いがあったが、社会を変えるのは会社だと思っていた」と政治家志向ではなかった。しかし20代の終わりに結婚し、港区に住んでいた2010年春、長女・真愛(まお)ちゃんが誕生したことが転機になる。

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