若者に選挙は「無理ゲー」じゃないか 政治への関心なんていくら高くても…

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常見 政治の選択肢は、「政治家になる」ってことだけではないよね。

青木 もちろん。選挙にいくっていう選択肢も含まれます。親が投票いかなければいかないのが、中高生のリアルだと思っています。

政治に意識高い若者とは?

常見 政治に関心を持つということは、「メディアリテラシー」と密接に関わるよね。日本人はメディアリテラシーが低いと言われているけど、青木くんの活動では、どんなふうにメディアリテラシーをとらえているの?

青木 メディアリテラシーに関しては、「模擬選挙」という政治教育のプロジェクトで、学校に導入しています。

そこでは三人の大学生を「イケメン」「真面目に見える堅そうな公務員・グローバル企業に勤める帰国子女という設定で候補者に見立てて、高校生の前で演説と討議をしてもらって、最後に投票してもらうというロールプレイをしています。

筋書きとしてはイケメンが演説の時点では良さそうに見えるけれども、討議でそのメッキが剥がれていくというもので、模擬投票を通して「見た目ではなく、考えていることで投票しなければいけない」ということを意識してもらうことを目的としています。

常見 確かに「見た目だけで投票してはいけない」ということはわかるんだけど、投票を左右する要素として、青木くんは支持母体をどう思う?なぜかというと民青同盟(日本民主青年同盟)の若者、創価学会の若い信者は、十分に政治に対する意識の高い若者なわけじゃん。

余談だけど、この春、早稲田大学の受験の日に高田馬場を通ったら、民青同盟が受験生に対して勧誘活動をしていて、「共産党の吉良よし子さんも早稲田の民青同盟出身でーす」ってメガホン持ってやっていたよ。

青木 なるほど・・・。

常見 というわけで、政治に対する意識が高い人って、だんだん派閥、党派ができていくと思う。例えば、「左翼は団体内で分裂を繰り返す」歴史があるよね。プロレス団体の分裂みたいなもんだな(笑)。青木くんの活動もそうだけど、政治に関心がある若者は結局、関心持っている若者同士で、分裂を繰り返していくんじゃないかな?

青木 考えてもみなかった発想ですね。関心持っている若者同士は分裂か…。

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