JAL(日本航空)が再上場を果たしてからちょうど2年になりますが、JALとANA(全日空)ホールディングスを比べると、収益力に大きな差が出たと感じます。JALは破綻をきっかけに、路線の縮小などによる規模のスリム化、業務の効率化とサービスの向上を図り、収益力を高めてきました。さらには会社更生法適用による税の優遇措置も、業績を押し上げています。
一方、ANAは規模的には国内1位の座についたものの、重くのしかかる有利子負債と高コスト体質から、低収益にあえいでいます。このような構図は、今後も続くのでしょうか。2社の現状と先行きを、財務諸表から詳しく分析します。
破綻で身軽になったJALは、高収益を維持
JALの平成27年3月期 第1四半期決算(2014年4〜6月)を見ていきます。国際線の需要増に押し上げられたものの、燃料価格の上昇によって費用が膨らんだ結果、増収減益となりました。また、この期は国際線の収入が国内線を超えました。
損益計算書(12ページ参照)によると、売上高にあたる営業収入は前年同期比4.4%増の3070億円。売上原価にあたる事業費は、同5.8%増の2455億円。売上総利益はほぼ横ばいの615億円となりました。
ただ、販売費及び一般管理費(販管費)が前年同期より7.6%膨らんでしまったため、営業利益は15.6%減の186億円でした。減益にはなりましたが、これだけの利益を出しているわけですから、まずまずの業績と言えます。
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