三越伊勢丹とH2Oを分析する

百貨店が受けた消費増税のダメージはどれほどか?

消費税が上がった4月以降、小売業の売り上げが落ち込んでいます。特に百貨店は、不要不急の高額品を売る業種ですので、増税の影響を大きく受けたのではないかと考えられます。
実際のところ、百貨店は、増税のダメージをどれほど受けたのでしょうか。今回は、業界最大手の三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹)と、大阪を拠点とする阪急百貨店・阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリング(以下、H2O)の決算内容を分析します。
三越伊勢丹は、空港型免税店事業に本格参入。百貨店業界の未来は(撮影:尾形文繁)

消費増税後、百貨店の売り上げは大きく落ち込んだ

消費増税後、小売り全般の売り上げが大きく落ち込みました。「小売業販売額」を見ると、3月は消費増税の駆け込み需要が発生し、前年比11.0%まで伸びましたが、4月から落ち込みが続いています。

小売りの中でも、特に百貨店は、その傾向が顕著です。

「全国百貨店売上高」の推移を見ますと、増税直前の3月は前年比25.4%増という大きな伸びを見せましたが、4月はその反動で同12.0%減。5月以降も低迷し続けています。

消費自体は多少戻してはいるものの、依然として弱いままなのです。その上、私たちの給与もそれほど増えていません。一人あたりの給与総額の平均を示す「現金給与総額」を見てください。4月以降は前年比1%弱の伸びで推移しています。

7月は同2.4%増と、これまでにない伸びを見せましたが、この内訳を見ると、基本給と残業代を合わせた「きまって支給する給与」は同0.5%増に留まっています。大きく伸びたのは、賞与が含まれる「特別に支払われた給与」で、同7.3%増です。

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