「横グラフ」で同僚の足引っ張らない組織作り

ネッツトヨタ南国に「働きやすさ」を学ぶ(前編)

仕事がハードだということもあり、なかなか女性の営業が活躍できないといわれているのが自動車ディーラーの世界。通常、この業界における女性営業比率は5~10%程度といわれています。ところが、そんな中に、営業スタッフ45名のうち8名が女性、しかもうち4名はワーキングマザー(もしくは出産予定の女性)という驚くべき会社があるのです。さらに、「営業の女性は離職率が高い」といわれる中で、この会社の離職率は2%。
その会社というのは、高知市にあるネッツトヨタ南国。ここではなぜそんなに女性の営業が生き生きと活躍できるのでしょうか? その秘密を探るため、現地でじっくり話を聞いてみました。2回にわたって、同社の取り組みを紹介します。

 

ネッツトヨタ南国は、リーマンショック以降苦戦が続く自動車ディーラーの世界で大健闘している1社です。全国のトヨタ車販売社300社のうち、「顧客満足度」で12年連続ナンバーワン。2002年には日本経営品質賞を受賞しています。

評判の源となっているのは、現在は相談役を務める横田英毅さん。常識とは正反対のユニークな経営手法によって高い顧客満足を得ているだけでなく、女性社員も生き生きと働ける組織を作り上げたのです。

横田さんが最も力を入れているのは「採用」。優れた人財を採用するためには金銭的コストを惜しみません。「年間5~10人を採用するために、1300万円以上を費やしてきました。それを15年続けていますから、同業他社の5倍以上はつぎ込んでいると思いますよ」(横田さん)

人の才能を見抜く能力を、徹底的に磨く

横田さんが採用の基準として最も重視するのは「人柄」です。人柄のいい人を採用することに徹底的にこだわっているのです。人柄のいい人は、「自分以外の人に喜んでもらうことを歓びとする」という意識があります。そういう人は顧客に対しても同僚に対しても同じ意識を持つことができる。それが強い組織を作ることにつながると、横田さんは言います。

採用において人柄を重視するのには、ちゃんと理由があります。少子高齢化の時代を迎え、自動車の販売台数は先細りしています。そんな中で競争に勝っていくためには、人財の質を高めるしかないと考えたのです。しかし、同業他社でここまで「人柄」に強くこだわるところはほとんどありません。なぜなのでしょうか。

「他の会社は、いい人財を採用することのメリットを理解できていないことが多いのではないでしょうか。また、面接の短い時間だけではその人財の良し悪しなんて分からない、だから大まかな基準でとりあえず採用してしまおう、という意識があるのでしょう。

でも、私はそうは考えませんでした。普通の人ならば、1年ずっと一緒に働けば、その人のことが分かるはずです。それなら、半年では可能か? 3カ月では可能か? 1カ月でも分かるんじゃないか? ひょっとしたら、採用前でも分かるんじゃないだろうか? 実際、短期間で人の才能を見抜く能力を持つ人も存在するわけですから、私たちもそのスキルを徹底的に磨いていこうと思ったのです」(横田さん)

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