ダイハツ、地域密着で「ココア」を売る狙い 北海道は「雪ミク」がモチーフ、東海は?

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ガソリン車トップの燃費性能を誇るダイハツの「ミラ イース」の技術をベースに開発し、燃費は1リッター当たり29キロメートルを実現した(前モデルは26キロメートル)。

8月末にマイナーチェンジし、全国で一斉発売したダイハツ工業の軽自動車「ミラ ココア」が、これまでにはなかった取り組みを展開している。発表会で、中島雅之チーフエンジニアが「女性の感性に合った車を開発するには、オジサンではダメなんだと」と語ったように、ココアは全体の9割が女性ユーザーで占めるという点が大きな特徴だ。

デザインは前モデルの丸みを帯びたかわいらしいフォルムを引き継ぎ、ボディカラーを15種類、内装色を9種類に拡充。これまで十数通りだった組み合わせを、軽自動車では最多となる160通りまで増やした。また新たな試みとして、全国を15の地域に分け、販売会社の女性社員が中心となって開発した、地域限定の特別仕様車を投入している。

女性による女性のためのチームが開発

今回の刷新に当たっては「ココかわプロジェクト」を結成。社内のあらゆる部署の女性社員が集い、顧客調査、内外装デザイン・用品開発、販促策の検討まで、一貫してプロジェクトに所属する女性社員が担った。

こうした取り組みの背景にあるのは、顧客の大半を占める女性の嗜好だ。「(ココアは)ほかの軽自動車に比べて、感性、個性で選ばれる車。ますます多角化している女性の感性をしっかり反映させるべく、“好みに合わせて選べる”という価値にこだわった」(ダイハツの堀井仁専務)。

ココかわプロジェクトのリーダーを務める山尾有佳氏

8月26日の発表会でも、ほぼ全編の説明をココかわプロジェクトリーダーの山尾有佳氏が担当した。新しいモデルのフロントフェイスデザインのバリエーションについて「きらきらハッピーフェイス」、「ほっこりフェイス」と説明するなど、表現一つを取っても女性ならではの感覚が垣間見える。

全国各地、地域限定販売の特別仕様車の提案も、このプロジェクトから生まれた。東北、信越、近畿、東海など、全国を15ブロックに分け、各地域のダイハツ販売会社の女子社員が中心となり、内外装のデザインを行った。

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