米国エリート女性がマーケターを選ぶワケ まずは専門性、そして「総合プロデューサー」に

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 これからの花形職種であるマーケターを目指そうというテーマの第3弾は、女性マーケターの可能性についてだ。

よく企業の管理職や人事の方に話を聞くと、「最近採用試験をすると優秀なのは女性ばかり」という話を伺う。しかし実際の内定状況や就職後の人事まで考えると男性のほうが有利な環境は変わらなかったりする。それはなぜか。男性のほうがジェネラリスト志向が強く、女性のほうがスペシャリスト志向が強いためのように思われる(あくまで一般的な話でどちらかというと、ということだが)。

男性が「何でもやります!」の気合でさまざまな部署にまわされる一方で、女性は腰を据えて専門性をじっくり磨きたいと考える。そうなると、現在のジェネラリスト中心に考えられた人事ローテーションでは男性のほうが使い勝手がよく、優遇されやすいわけだ。

そんな状況に鑑みて、私は女性にこそマーケターを勧めたいと思う。要はこの状況を逆手にとって、男性社員がジェネラリストの人事ローテーションにどっぷりハマっている間に、女性は専門性が評価されやすいマーケティングのスペシャリストになってしまおうということである。(男性のみなさん、失敬!)。

米国では「女性こそマーケティング」

欧米には女性マーケターが大勢いる。もっと言えば“出世している”女性のマーケターがたくさんいる。それを象徴するのが米国のマーケター専門誌・アドエイジが組んだ「女性マーケター特集」だ。

 この特集では30人の注目すべき女性マーケターを毎年取り上げており今年で17回目を迎えている。2014年版ではデルやシスコ、セールスフォースのCMOや日系企業でもトヨタや電通系列のマーケティング部門長など、活躍する女性がずらり。IT系に限らずペプシやロレアル、ニューヨークタイムズなど所属企業の業種も幅広く、裾野の広さを感じる。

 さらに少し古いが同誌がやっている「広告業界で最も影響力のある女性100人」も面白い。100名の構成は役員クラスを中心としたマネージャー以上がほとんど。日本でもメディア系企業は女性進出が進んでいるとはいえ、100名ものトップエグゼクティブを見つけるのは至難の業だろう。

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