W杯で「ユニフォーム女子」が増えたワケ

売り上げも7倍!アディダスが仕掛けた「円陣」

 今回取り上げるのは、2014 FIFAワールドカップ ブラジル™におけるサッカー日本代表のユニフォームを手掛けたアディダス ジャパンだ。背中に配したネオンカラー(蛍光色)の1本線が、円陣を組んだときに大きな輪になるようデザインされた今回のオフィシャルユニフォーム。日本 代表のワールドカップ出場は5回目になるが、いつにも増してユニフォームを着用しているサポーターを目にする機会が多かったと感じた人もいるのではないだ ろうか。
 それもそのはず。今回のユニフォームは、前回大会の同期間(11月の新ユニフォーム発 表~翌年4月末)の売り上げと比べて約7倍もの売れ行きを記録したという。その裏には、全国延べ約100カ所でパブリックビューイングを実施するという地道な取り組みがあった。地元のスポーツショップや流通、ショッピングモール、自治体などを巻き込んだ根気強い活動を徹底したことによって、真の統合キャン ペーンと言うにふさわしいキャンペーンとなった。
 さらに、SHIBUYA109とコ・プロモーションするなどの新規性が高い企画も組み合わせ、ワールドカップに関心を持つファン層を拡大することに成功した。
 欧州や南米と比べて日本では日常的にサッカーのユニフォームを着る習慣がない。そこでアディダスでは「日本に新しいサッカー文化を根付かせること」を目標に、一連のキャンペーンを実施したのである。
 「円陣」をコンセプトに掲げた同キャンペーンを成功に導いたアディダスマーケティング事業本部ブランドマーケティングディレクターの河合健太郎氏と、同ブランドマーケティングマネージャーの星裕介氏に話を聞いた。

河合健太郎(かわい けんたろう)●広告代理店を経て、2007年アディダス ジャパンに入社。ブランドマーケティンググループマネージャーとしてランニング、テニス、アウトドアカテゴリー、デジタル統括、2010 FIFA World Cup South Africa™ などを担当した後、2010年より現職。広告・宣伝、広報、デジタル、イベントなどブランドマーケティング活動を統括する。
【今回の凄腕マーケッター<上司>】
アディダスマーケティング事業本部
ブランドマーケティング ディレクター
河合 健太郎 氏
■マーケティングのアイデアを考えるために心掛けていること:
街で見た人気店や世の中で売れているもの、はやっているものについて妄想。なぜ人気なのか、ビジネスはどのように成り立っているのか、ほかの業種に応用できないか、など。
■座右の本とその理由:
『人生の100のリスト』(ロバート・ハリス)。ビジネス書ではないですが、読むと感化されます(笑)。
■好きなテレビ番組とその理由:
テレビ東京『Youは何しに日本へ?』。企画がいい。あと、出てくる外国人が皆チャーミングで、見て癒やされています。
■参考にしているWebサイトとその理由:
特に決まったサイトはなく、Facebookで友人・知人がシェアしている情報で気になったものをブックマークして見ることが多いです。
■マーケティングを一言で表現すると?:
企業側が(誰でもいいわけではなく)キチッと設定したターゲットに、興味を持ってもらい、買ってもらい、満足してもらうこと。

 

星裕介(ほし ゆうすけ)●マーケティング事業本部フットボール・ラグビー・miビジネスユニット ブランドマーケティングマネージャー。2014 FIFA World Cup Brazil ™プロジェクトメンバー。。02年、早稲田大学教育学部を卒業し、渡豪。05年、シドニー工科大学大学院スポーツビジネス科修了。06年アディダス ジャパンに入社後、営業部にてスポーツ量販店営業を担当、その後セールスプロモーション部を経て11年ブランドマーケティング部に配属。配属後、ブ ランドを横断した『ONE BRAND CAMPAIGN』『adizero Campaign』等のコミュニケーション設計に携わる。13 年4月よりフットボール・ラグビー・miCoachのブランドマーケティングマネージャーとして、サッカー日本代表および14 FIFA World Cup Brazil ™のコミュニケーションに携わる。
 【今回の凄腕マーケッター<部下>】
アディダスマーケティング事業本部
ブランドマーケティング マネージャー
星 裕介 氏
 
■マーケティングのアイデアを考えるために心掛けていること:
客観と主観の視点を持つ。コミュニケーションを受け取った人が、どのようにして自分事化をするかを考える。
■座右の本とその理由:
『ザ・プロフェッショナル』(大前研一)
■好きなテレビ番組とその理由:
『another sky』『世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?』『世界の果てまでイッテQ!』普通の旅番組ではなく、その地域の生活に触れたり、違った視点で世界を見たりすることができるような番組が好きです。
■参考にしているWebサイトとその理由:
『ソーシャルメディアマーケティングLAB』。日々いろいろなソーシャルサービスが出てきている中で、企業がソーシャルをどのように活用するか? ソーシャルのトレンドは?など、ソーシャルの多くの事例やニュースが把握できる。
■マーケティングを一言で表現すると?:
企業が消費者と長くつながり、ファンになってもらうための関係づくり。
 
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