「女子力」が農業を生まれ変わらせる

「生活者目線」「主婦目線」が活性化のカギに

「ニッポン復活」のカギに掲げられる女性の活躍推進。特に東日本大震災の後、なでしこジャパンがサッカー女子W杯を制したあたりから、その気運が急速に高まってきたが、衰退に直面する農業界こそ男性とは違う女性のクリエーティブパワーが求められるのではないか。農林水産省も2013年秋から「農業女子プロジェクト」を掲げ、流れを後押しする。
連載3回目は、今週、大学を卒業して就農したばかりの女性2人と、流通面から農業の世界に新風を吹かせる起業家を紹介しながら農業に与える「女子力」の可能性を考える。
就農した思いを語り合う塚原芽衣さん(左)、小園早葵さん。手にしているのは就農先で採れたネギ、自家製トマトジュース

サラリーマン家庭から就農した理由

「お互い作ってきた野菜でご飯を食べるのは美味しく、楽しい」。東京農大を2014年春に卒業した神奈川出身の塚原芽衣さんは、同じく大阪の梅花女子大学を今春出たばかりで、関西出身の小園早葵さんと共に縁もゆかりもなかった茨城県常総市に移住した。塚原さんは、ネギや白菜づくりなどを手掛ける個人農家で、小園さんはトマト生産の農業法人で、それぞれ農業生活をスタート。小園さんは4カ月を振り返り、「道具が重たくて体力も思っていたより必要ですが、疲れても充実感がある」と目を輝かせる。

ただ、塚原さんも小園さんも実家はサラリーマン家庭だ。2人は就職活動で農林水産業の求人サイトにエントリー、NPO法人「農業支援センター」(茨城県土浦市)に現在の就農先をコーディネートされた新規就農者だ。農水省が2013年に民間委託で行った「女性農業者の活躍促進に関する調査」では、すべての女性農家に就農理由を尋ねた項目で「家庭環境」を挙げた人が最多の6割近くに上り、動機付けとなる体験の重要性を感じる。それだけに非農家出身の塚原さん、小園さんのきっかけは興味深い。

小園さんは幼い頃、トマトが好きではなかったが、小学3、4年生の頃、農家だった祖母の作るトマトの味に心を奪われた。「なんで、おばあちゃんのトマトはスーパーで売っているものより美味しいんだろう?」。その時に感じた新鮮さが農業を志した原体験。大学では情報メディアを専攻し、IT関連や販売職での就職も考えたものの、就活時に思い出したのが祖母のトマト。ウェブサイト制作など、モノづくりに好きな自分の性格が農業に向いているとも感じ、「おばあちゃんみたいに美味しいトマトを作りたい」という一心で決断した。

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