「彼を待っていた」サントリー佐治社長を直撃 創業家以外で初。次期社長はローソン新浪会長に

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自宅前で質問に答える佐治社長。

 

 ――創業家ではなく、後継社長を外部から招聘する理由は。

 創業家は創業家の良さが当然あるが、まだ次の世代が十二分に育っていない。これから世界戦略をスピードを上げて取り組む必要がある。そういう意味で、新浪さんは最適な方だと前から思っていた。

彼は昔からゴルフ仲間だったりするから(社長就任の打診は)それとなくはしていたが、大きな会社、それも大のお得意先のトップだったので、そう簡単に「来て下さい」というわけにもいかなかった。ローソンは玉塚(元一)さんが社長になったが、やはり先方の都合もある。一方的に来てくださいと言っても、(新浪氏は)それだけの責任を果たさないといけない。簡単に言えば、「いい時にお越しください」ということ。

――小売りとメーカーの経営は違うところもあると思うが?

経営は基本は同じだから。世界戦略に取り組むには彼の国際性というか、ダボス会議にずっと出ておられたり、なんと言っても彼の「やってみなはれ」のエネルギーというのはサントリーにぴったりだな、と判断した。人事は、7月1日の臨時取締役会で決定する。就任は10月1日になると思う。

13年秋に打診。返事も13年。

――新浪氏とどのような経緯で知り合ったのか。

慶応義塾大学の後輩で、得意先とメーカーという形でお目にかかってますから。正式な打診は去年の秋。いろいろ準備ができたので、そろそろお受けしますという話をいただいた。返事も去年。

――トップ交代のタイミングはなぜ今なのか。

理由は特にない。私は65歳(現在、佐治氏は68歳)で社長は譲りたいと思っていたが、これが延び延びになっていた。なるべく早い機会にと思っていた。

――次の世代が十分に育っていないというのは?

私の責任かな。大きなことは自分で決めてきたから。そういう意味ではなかなか・・・・。(サントリーを)ホールディングスにして多くの社長が生まれた。成長してくれたが、まだHD化して5年。これから若い人たちが成長していってくれればいいのではないか。創業家と言えば、(サントリー食品インターナショナルの)鳥井信宏もまだ若いし、まあ食品の社長になったばかり。しばらくあそこで勉強して。新浪さんにいろいろと教えてもらって、成長してくれれば一番いい。

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