サントリーが仕掛ける、マイボトル専用飲料 魔法びんの「サーモス」と協業で狙う新市場

拡大
縮小
サントリー食品インターナショナルの小郷三朗副社長(左)とサーモスの樋田章司社長

保温保冷性能の高い携帯型のステンレス製魔法瓶に自分好みの飲み物を入れて、オフィスやレジャー先などで自由に楽しむ――。「マイボトル」と呼ばれる飲用スタイルが一般に広がる中、飲料メーカーと魔法瓶メーカーのタッグによる、「マイボトル専用飲料」という新市場を創出する取り組みが始まる。仕掛けるのは、先日、株式上場を果たしたばかりのサントリー食品インターナショナル(以下、サントリー食品)と魔法瓶大手のサーモスだ。

サントリー食品とサーモスは7月8日、「ドロップポーション」と呼ばれる専用の小さな密封容器に詰まった濃縮飲料と、専用マイボトル(携帯型のステンレス製魔法瓶)を共同開発し、両者を組み合わせた新しい飲料スタイルを「マイボトルドリンク『ドロップ』」というコンセプトで提案し、コンビニエンスストアやインターネットなどを通じて販売していくと発表した。

マイボトルドリンク「ドロップ」は、ドロップポーションを専用設計されたマイボトルの中で開封し、中から出てきた濃縮飲料を水またはお湯で割って飲用するという仕組み。「手を汚さずに確実に簡単にマイボトルの中でポーションを開封し、おいしさと香りを保持できる」(ボトル開発を担当したサーモスの片岡有二マーケティング室長)。作りたての味で飲めるだけでなく、一定の時間が経っても熱さや冷たさを保ったまま楽しめるうえ、好みに応じて飲料の濃さを調節することなどもできるのが特徴だ。

1都3県のセブン-イレブンで先行発売

手始めに10月下旬から1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)のセブン-イレブンで、ドロップポーション(1個90円)と専用マイボトル(1980円)を先行発売する。ネット販売も検討する。当初、ドロップポーションはコーヒーやお茶、オレンジなど12種類を用意するが、需要動向を見ながら品ぞろえを見直すとともに強化・拡充し、順次、全国展開を図っていく。コーヒー系の飲料などを試飲してみた記者は、価格面も考慮したうえで、この手の加工飲料としては十分満足のいく味だと感じた。

次ページ飲料市場の歴史とは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT