有名外資企業がLGBTパレードに協賛する理由 ビジネスにも必須な同性愛の基礎知識

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アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。
日本社会は、まだまだ「同性愛者の人権」に関する理解が足りません。(撮影:尾形 文繁)

6月28日は、1969年にニューヨークのマンハッタンにあるゲイバーに警察のがさ入れが入り、同性愛者たちが籠城して闘った、世界で初の同性愛者の権利要求運動が起きた日です。バーの名前から、ストーンウォール事件と呼ばれています。日本と異なり、その頃の欧米では、同性愛行為は双方の合意があっても犯罪となる国がたくさんありました。今でも6月のマンハッタンでは、ストーンウォール事件を記念してLGBTパレードが開かれます。同性愛者(LesbianとGay)、両性愛者(Bisexual)、性同一性障害等(Transgender)をひとくくりにしてLGBTと呼ぶのです。このサイトでも連載があるので、ぜひご覧ください

昔はゲイパレードと呼ばれたのですが、最近はゲイ以外も含める観点から、LGBTパレードプライドパレードなどといった呼び方が多くなりました。この時期のマンハッタンでは、あちこちで多様な性を象徴する虹色の旗を見ることができます。

みなさん、「府中青年の家事件」ってご存じですか? 大学の講義で学生さんに聞いても「何それ?」という人が大半なので、知らない方がほとんどだと思います。ですが、この事件をめぐる知識というのは、今の時代に行政やビジネスに携わる人たちにとって、不可欠なものなのです。この事件の持つ意味を400人相手の講義で伝えると、学生さんたちも必ず、「こんなことは本来、高校時代に必修で知っておくべきことだが、遅まきながら知ることができてよかった」と感想を返してくれます。同性愛者の人権について、少し考えてみてほしいのです。

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