ゲームを成り立たせるには何が必要か? ジェンガのデザイナーがジェンガを持って東北・石巻を訪ねる

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――ジェンガはなぜ、世界で2番目に売れているゲームなのか!?
ジェンガが初めて発売されてから30年、このゲームは売れに売れ、今や世界で2番目に売れているゲームにまでなった(発売26年で販売実績5000万個を超えている!)。
そして驚くべきことに、ジェンガというゲームを「生み出した人」と、ジェンガという製品を「世界に展開する道を開いた人」は、同一人物である。
ゲーム・デザイナー、起業家という肩書きに加え2013年12月に日本語版が刊行された『JENGA――世界で2番目に売れているゲームの果てなき挑戦』で作家としてのデビューまで果たした英国人女性、レスリー・スコット……どんな完全無欠のバリキャリスーパーウーマンが現れるかと思いきや、彼女はどこにでもいそうな「普通」の人だ。
1983年のロンドンでジェンガが新製品としての産声を上げるまでの「開発秘話」。そして血で血を洗う弱肉強食のおもちゃ市場をジェンガが生き残り、この世界で「2番目に売れているゲーム」となるまでの驚異の過程。

そんなジェンガと生みの親レスリー・スコットの知られざる物語に迫っていく本連載。今回は、来日したレスリーの、東北訪問記をお届けする。

  

レスリー・スコット来日。東北・石巻へ

レスリー・スコット(撮影:尾関裕士)

私は12組のジェンガ(※) を携え宮城県石巻市雄勝町を訪れました。雄勝町は、世界中の人々に大きなショックを与えた2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う津波によって甚大な被害を受けた町のひとつです。※ジェンガの日本での販売元、株式会社タカラトミーの協賛による。

東京駅から新幹線とレンタカーを乗り継ぎ、約4時間で雄勝町に到着しました。最初の訪問先は石巻市立雄勝小学校でした。

学校は眼下に広がる畑を見下ろす丘の上に建てられていましたが、これはプレハブの仮校舎でした。

雄勝小学校の津波被害は大きく、現在も石巻市立河北中学校の敷地内に間借りしたような状態です。

遠藤潔校長先生が私たちの訪問を温かく迎えてくださった後、大教室に入ると、そこには26人の児童が床に並んで座っていました。訪問日の2014年3月20日は同小学校卒業式の翌日であったため、1~5年生のほぼ全員が参加していました。

子どもたちとレスリー

私はゆっくりと簡潔にジェンガの話をしました。

私がアフリカで生まれ育ったこと、5歳の弟が遊んでいた木製のブロックからジェンガの原型を考え出したこと。

そして、なぜジェンガという名前を付けたのか(アフリカで育ちスワヒリ語を話す私としては、スワヒリ語で「組み立てる」という意味の「ジェンガ」はゲームにぴったりな言葉だと思ったのです)。

そして最後に、ゲーム・デザイナーという私の仕事について話をしました。

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