今年の春に発表された、ソーシャルビジネスの優れた取り組みを表彰する「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」。
ここで、ネット上で「石巻元気商店」を運営するNPO法人オンザロードが表彰された。受賞したのは「東北復興支援部門賞」だ。
応募団体は380件超。数多くのソーシャルビジネス企業、復興に取り組む団体がある中で、入賞できたのは名誉なことだ。
彼らが認められたのは、震災の影響で取引先が減る中、ネットで販路を開拓して、売り上げ増と雇用の確保を図り、石巻元気商店に出店する地元企業に還元できたこと、また、商品を購入するという形で、消費者が復興支援にかかわれる新たな仕組みを提供できたからだろう。
現在、「石巻元気商店」は、ヤフーが運営する「復興デパートメント」全体の売り上げの中で、つねに1番の売り上げを稼ぎだしている。ヤフーの復興支援活動の中で、ひとつの看板的存在なのだ。
立ち上げるだけでは、意味がない
以前、復興デパートメント立ち上げの話しを書いたときには、立ち上げまでスムーズにいったようにさらっと書いてしまったけど、正直、石巻元気商店のここまでの道のりは、そうとう苦しいものだった。
オープンしてからの1年弱は赤字続き。
2011年12月14日に立ち上げの記者発表を行った際は、メディアが取り上げてくれたこともあり、数字がぽんと伸びた。がしかし、年明けからはがくんと落ちてしまった。
今でも忘れないようにしている言葉が2つある。
ひとつはヤフーの現社長、宮坂が復興デパートメント立ち上げのときに僕にくれたコメント。
「立ち上げるだけじゃ、意味はない。世の中にインパクトのあるレベルまで結果を出さなければ、あってもなくても変わらない。そこまでもっていけるようになれ」
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