ヤフー流支援に集う、若き異才たち 「泥かき」だけが、僕らの仕事じゃない!

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震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市に7月末、ヤフーは新たな事業所として「ヤフー石巻復興ベース」を設置。東京のIT企業からやってきたメンバー5人が”ヤフーにしかできない支援”を目指し、日々奮闘している。
会社員として、企業として、復興支援の現場でいったい何ができるのか。この連載では、ヤフー石巻復興ベースの現場リーダーである長谷川琢也氏(35歳)が、復興支援の新たな仕組み作りに奔走する日々を、石巻から発信していく。

 

「ジャニーズのV6が来た!」

気仙沼のお母さんにそう間違えられるほどの、イケメンおじさんがいる。現・復興支援室長の須永浩一。僕たち石巻のメンバーをまとめてくれている人だ(ちなみに、実際はV6のどのメンバーにも似ていない……)。

写真右が須永浩一・復興支援室長(左は私、長谷川琢也)

震災当時、須永はコンシューマ事業統括本部ビジネス開発本部の部長として、Yahoo!ショッピングとYahoo!オークションの新規事業開発、パートナーとの連携などを取りまとめていた。たとえば、ファッションサイト「ZOZOTOWN」とYahoo!ショッピングの提携も、須永が担当した案件だ。

もともとはヤフーの第一線で働く、バリバリの部長だった須永。だが彼もいつの間にか復興支援にのめり込み、いまやすっかり“復興支援の人”である。

白米20トンを送った男

当時、彼が進めていたプロジェクトに、物資支援プログラム「支援ギフト便」がある。

2011年3月23日に始まったこのプロジェクト。出品しているストア、支援団体(公益社団法人Civic Forceなど)の協力を得て、品物を被災地に送るというものだ。

多くの人が記憶しているとおり、震災直後は物流が滞り、個人が被災地に品物を送るのは難しい状況だった。そこで、Yahoo!ショッピングを通してお客様に、被災地向けの品物を購入してもらい、それを被災地に届けることを計画した。須永は、そのために自衛隊にも協力を依頼するなど、交渉を重ねていた。

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