「アクションカメラの英雄」は1億ドルをどう使う?
カメラメーカーのゴープロ社が株式上場へ

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これがGoPro HEROの最新モデル

切り立った崖の近くを、空中回転を交えながら駆け下っていくマウンテンバイクや、エメラルドグリーンの波の狭間に吸い込まれていくサーフィンの映像――。YouTubeやフェイスブック、インスタグラムなどSNS上には、サーフィンやスノーボード、マウンテンバイクといったアクションスポーツを楽しむ臨場感あふれる映像の数々がアップロードされている。これらの動画の多くは、「アクションカメラ」と呼ばれ動画の世界に大変革をもたらしている小型ビデオカメラ「GoPro HERO」シリーズによって撮影されたものだ。

背面液晶やズーム機能など、通常のビデオカメラに標準装備されている機能を省略して小型化した一方、耐衝撃性を高め、防水ハウジングを標準装備することでスキューバダイビングなど水中での撮影も可能にした「GoPro HERO」。通常であれば高額な防水ハウジングが付属しながら2万~5万円程度というコストパフォーマンスの良さや、腕やヘルメットなどに装着することでアクションスポーツを楽しんでいる最中の映像を撮影することができる魅力が人気を博し、世界各地のスポーツ好きな若者層を中心に好調な販売を続けている。

使用しているのはアマチュアだけではない。テレビ局もバラエティなどの激しい動きを撮影する場合に「GoPro HERO」を積極的に使っており、迫力のある画像は、お茶の間にも届けられている。

2013年度に384万台販売

その「GoPro HERO」を販売する米ゴープロ社(2014年2月にウッドマン・ラブズ社から社名変更)は5月19日、米国ナスダック市場への上場を目指し、米証券取引委員会に上場申請書類を提出した。

開示された資料によると、ゴープロ社の売り上げは2010年度の6446万㌦から2011年度2億3423万㌦、2012年度5億2601万㌦、2013年度は9億8573億㌦と、倍増近い高成長を続けている。カメラ本体の出荷数量も2011年度の114万台から2012年度231万台、2013年度384万台と右肩上がりだ。

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