ご当地品名産で狙う、アジアからの観光誘致 企業だけじゃない!地方自治体もアジアに漕ぎだす!

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 昨年、日本各地7つの自治体・関連団体からなる「日本自治体等連合」のシンガポール事務所が開設された。構成するのは燕三条地場産業振興センター、富山県南砺市など、いずれも「県」ではなく「市」「町」単位の自治体だ。市や町がなぜ東南アジアに拠点を構え、そしてここでなにをするのか。その中心人物である佐賀県武雄市の笠原雄人氏らに話を聞いた。
日本自治体等連合のシンガポール事務所開設で中心的な役割を担った、右から佐賀県武雄市の笠原雄人氏、xBounds Asiaの前野智純氏、Teo Chuu Yong氏

「市」や「町」単位でASEANに攻勢

昨年10月、日本各地7つの自治体・関連団体からなる「日本自治体等連合」のシンガポール事務所開設式が行われ、各自治体・団体(以下、自治体)の長らが自ら現地の商社などに対し、地元の特産品を売り込んだ。同連合を構成するのは、北から燕三条地場産業振興センター(新潟県)、富山県南砺市、香川県宇多津町、福岡県鞍手町、福岡県大刀洗町、佐賀県武雄市、鹿児島県薩摩川内市。いずれも「県」ではなく、「市」「町」単位の自治体である。

同事務所の役割は、東南アジアにおいて各自治体が持つ特産品の販売と、市や町へのインバウンド(外国人による訪日旅行)に対して観光PRの支援を行うこと。同事務所に常駐するのは、佐賀県武雄市の笠原雄人氏。同氏は「これまで日本国内における自治体の特産品などの販路開拓や支援に関して、広域の小規模市町が中心となって行うことはほとんど見られなかったが、JAPANsg(自治体が運営するECサービスのこと)によりこれが可能になってきた。今後、国内の市場が次第に縮小していく中で、参加している小規模な市町が国内市場だけでなく海外需要を少しずつ取り込んでいくには、それに対応した態勢を作る必要があった」と、事務所開設の背景を語る。

次ページアジアの「人・モノ・カネ」を動かす地方の武器
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