佐賀県+宝島社。異色コラボの狙いとは?

出版社が「編集力」で稼ぐ方法

 テクノロジーのさらなる進化は、単にメディアを「紙」から「ウェブ」へ置き換えるだけでなく、メディア業界の形そのものを一変させます。現在進行中のこの大波は、明治・大正期以来の、100年に1度の大変化です。
 では今後、メディアはどう変わっていくのか、5年後にはどんなメディア新世界が待っているのか、そして、メディア企業とメディア人は、どうすればウェブ時代に稼ぐことができるのか――それを、メディア業界の最先端を走るキーパーソンと考えます。
 第2回目は、女性ファッション雑誌などで知られる宝島社を取り上げます。なぜ出版不況の中でも、宝島社は豪快に稼ぐことができているのか。その秘密を探ります。
佐賀県は宝島社とタッグを組み、首都圏の30代女子へのPRを強化。会見には佐賀出身の優木まおみさんが登場。

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宝島社はなぜ、出版不況でも稼げるのか?

宝島社が“反オンライン”を貫くワケ

 目指すは「女子人気No.1県」

出版不況で沈む業界の中にあって、ひとり気を吐く宝島社。その強さの秘密を、過去2回にわたって紹介してきた。

そんな宝島社が、またひとつ新しい事業に打って出る。それは、地方自治体向けのマーケティング支援だ。これはいわば、宝島社の「編集力」を売るビジネスと言える。その最初のパートナーとなるのが、佐賀県だ。

日経リサーチの地域ブランド調査によると、佐賀県の認知度は47都道府県中、44位にすぎない。そこで、宝島社のブランド力と編集力を活用し、首都圏の20、30代女性に佐賀をアピール、「女子人気No.1県」を目指すという計画だ。

今回のコラボの発端は、宝島社で広報、マーケティングを手掛ける桜田圭子氏が、講演会の席で佐賀の古川康知事と出会ったことにさかのぼる。さらに昨年、宝島社が“日本初の女子向け花火”と銘打った「東京ミュージック花火」のイベントを開催。その際に、佐賀の日本酒が試飲できる「イケメン酒蔵」を作ったところ、約1500人ものお客さんが集まった。そこで宝島社のマーケティング力を目の当たりにした佐賀県庁が、今回のタッグを依頼したという流れだ。

キラーコンテンツは“透明すぎるイカ”

では、具体的にどんな企画を仕掛けるのか?

今後1年にわたり、以下の5つの企画を共同展開していく予定だ。

(1)OL人気の高いファッション雑誌『steady.(ステディー.)』編集部と、優木まおみさんが、女子向け商品を開発。
(2)30代女性誌No.1の『InRed(インレッド)』の編集部が、佐賀の商品をセレクトし、女性のライフスタイルの中で提案していく。
(3)宝島社のサイトにバナーを張り、佐賀県と開発した商品などを紹介。メルマガ、フェイスブック、ブログを活用し、読者向けのプレゼントキャンペーンを行う。
(4)有田焼が付録になったブランドムックを書店で発売。
(5)都内に「女子向け酒蔵」を企画中。佐賀の商材を使ってPRイベントを行う。

 

コラボを始めるにあたり、宝島社の編集部員が佐賀県を訪問。そこで、キラーコンテンツに選ばれたのが、呼子のイカだ。イカは低カロリー、低脂肪な上にコラーゲンやタンパク質が豊富で美容にもよく、女性に受ける条件がそろっている。“透明すぎるイカ”とのキャッチフレーズで、東京の飲食店で提供していく。

もうひとつの目玉となるのが日本酒だ。佐賀は、1人当たりの日本酒消費量が日本一と言われるほどの、日本酒県。「鍋島 大吟醸」は世界大会で1位に輝いた実績もある。日本酒を売り込むため、秋の日本酒の日にあわせて、女子向けの酒蔵を都内にオープンする予定だ。

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