宮本恒靖が語る、日本代表の「守備」の弱点

どうすればW杯での失点を防げるのか

 サッカーには主にFW、MF、DF、GKという4つのポジションがあり、それぞれのポジションの視点だからこそ見えてくるものがある。個人的には、攻撃サッカーを志向するザックジャパンが、DFの目にどう映るかに興味があった。
 そんな折、元日本代表キャプテンの宮本恒靖にインタビューする機会を得た。2012年9月、宮本は国際サッカー連盟(FIFA)が主催する「FIFAマスター(大学院)」に入学。イギリスのレスターで歴史、イタリアのミランで経営、スイスのヌーシャテルで法律を学び、10カ月にわたってクラブ経営や協会運営の知識を吸収した。日本人の元プロ選手が同大学院に通ったのは初めてのことである。そして今月、留学経験をまとめた『日本サッカーの未来地図』(株式会社KADOKAWA)を出版した。その本の告知を兼ねて、取材の場が設けられた。
 もし宮本がザックジャパンと対戦したら? かつてのDFリーダーに日本代表の強みと弱みを聞いた。

日本の攻撃をどう見るか?

――さて、ブラジルW杯の展望について聞かせてください。日本はコートジボワール、ギリシャ、コロンビアと同組になりました。どんな印象を持っていますか?

日本は4年前にコートジボワールと練習試合で対戦していますが、当時と比べると全体のスケールが小さくなっていると感じます。強力な選手がいるので難しい試合になると思いますが、今の日本は自分たちがアクションを起こして、いい内容でゲームを進められるときは、どの相手からも得点を奪える。その時間を長くすることがカギだと思います。

ギリシャはゴール前でしっかり守って鋭いカウンターを仕掛けてくると思うのですが、相手は守備のときに体を入れてくる傾向があるので、そこでファールをもらってFKを狙えば、十分に点を取れると思う。

――ギリシャからはファールをもらいやすい?

試合の映像を見て気がついたのですが、体を投げ出してタックルに来る。それを利用してファールをもらってもいいし、相手を釣り出しておいて、そのスペースにほかの選手が走り込んでもいいですね。

――コロンビアは?

コロンビアに関してはケガで離脱中のファルカオを含めて、誰がFWで出場するかに大きく左右されると思うのですが、中盤でのフィジカル勝負を避けて、うまくボールを動かしたい。3試合目なので大会のテンションに慣れていれば、力を出せると思います。

――ザックジャパンの攻撃の強みは、DFラインの裏への飛び出しだと思います。ただし昨年10月の東欧遠征のセルビア戦やベラルーシ戦のように、裏のスペースをケアされると攻撃に行き詰まることがある。元DFリーダーとして、日本の攻撃をどう見ていますか?

選手があまり動かず、立ち止まった選手の足下にしかボールが入っていないと、DFとしては恐くない。DFが嫌なのは組織の隙間に入られて、パスを交換されることなので。

東欧遠征の試合では、足下から足下へのパスばかりでした。でもオランダ戦とベルギー戦では、動きながらトライアングルを作るイメージでボールを運べていた。昨年6月のコンフェデレーションズカップのイタリア戦もそうでしたが、動きを伴ったボール回しをできるときは、相手を押し込んで点を取れる。

逆によくないときは、足下にしかパスがつながらず、さらに軽率なミスが起きる。せっかくいい流れなのにもかかわらず、大きなミスが起こる傾向があるのは課題です。

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