イノベーター理論でみるファッショントレンド

マジョリティがトレンドを受け入れられないワケ

 おしゃれなモデルに派手なセレブ、ファッションピープルであふれるにぎやかなパーティ……。映画や雑誌で見るファッション業界の華やかなイメージは、人々を魅了してやまない。一方で、そのきらびやかなイメージの裏には、業界の戦略やしたたかな仕掛けが存在する。メディアからはなかなか伝わることのない、ファッション業界の舞台裏とリアルな現実をファッション・ジャーナリストが解説します。
新作の商品が並び、春めいてきた店頭

陽気が暖かくなり、ようやく肌でも春の訪れを実感する季節になりました。こうなると、北風と太陽ではありませんが、早く、厚くて重いコートを脱ぎ、軽やかな新しい服に袖を通したくなります。またこの時期は、卒業式や入学式などのイベントもありますし、新しい環境でのスタートが決まり、スーツなどの仕事着を新調する方もいらっしゃるかもしれません。その辺りの動機は千差万別ですが、みなさんも、実際にお店で服を手に取ったり、靴を試してみたり、何か買ったりする機会が増えているのではないでしょうか。

さて、今回の「ファッション! インサイダーストーリー」では、そんなリアルなマーケットとファッショントレンドの関係性について、ビジネスマンの読者の皆さんにはおなじみの、マーケティング理論を用いてお話したいと思います。

ファッションとイノベーター理論

以前、ファッションショーとそこで発表される服やトレンドについてご紹介しました。ファッションショーの服とは、そもそも各ブランドがそれぞれのオリジナリティを表現するもので、クリエイティブであることが大前提です。ですから、ごく普通のOLさんがこれらの服を着るということは、まずないですし、言い換えると、一般的ではありません。対して、リアルなマーケットを支えているのは、OLさんに代表される、一般的な消費者です。

この辺りをわかりやすくする説明するために、エベレット・M・ロジャース氏の「イノベーター理論」を拝借したいと思います。

イノベーター理論

具体的なパーセンテージはともかく、ファッションショーで発表される服やトレンドというのは、イノベーターと一部のアーリーアダプターに向けて発信されます。なぜなら、新しいファッションを受け入れ、広め、引っ張っていく人たちは、ここに属しているからです。

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