パラスポーツを全国小中高生が学ぶ授業の深み あすチャレ!Schoolの取り組みとは

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「あすチャレ!School」の講話で話す永尾嘉章さん(筆者撮影)

2020年東京パラリンピックまで、あと500日を切った。

4月は児童、生徒にとって新学期が始まる時期だが、パラスポーツを学ぶ授業を取り入れる学校が年々増えている。

日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)が、パラスポーツを通じて行う教育プログラムの1つ「あすチャレ!School」は、日本全国の学校を回って、パラスポーツを紹介しながら、理解を深めてもらおうという取り組みだ。パラサポでは体験型授業と呼んでいる。

都内の小学校(6年生)で開催された「あすチャレ!School」を見学した。

講師は、パラ陸上で車いすの短距離で活躍した永尾嘉章さん。パラスポーツ体験、そして講話からなる90分構成となっている。

講話と体験学習に子どもたちも興味津々

今回の授業内容を紹介すると、まず教室で永尾さんが簡単な自己紹介し、パラスポーツの概要を説明した後、パラ陸上のビデオを鑑賞する。「手がなくても、足がなくても、目が見えなくても、工夫さえすればスポーツ、陸上を楽しめる。それがパラスポーツの素晴らしさ」と永尾さんの説明を児童たちもちゃんと聞いている。こうした授業は初めてだろうから、好奇心もあるのだろう。

次に、体育館に移動。車いすマラソンに使用されるレーサー用車いすや、車いすバスケットボールに使用する車いすなどタイプが違う車いすが置かれている。※通常のプログラムでは体育館内で通して体験から講話までが行われる。

ここから体験学習になる。

子どもたちの前で話す永尾さん(筆者撮影)

永尾さんはレーサー用の車いすについて「速く走るためだけにつくられ、車輪の幅が狭くした、重さも8キロと軽い」などと、特徴を説明。その後、2台のレーサー用車いすを、速度を測れる装置に固定して「スピード対決」の体験をさせる。

児童2人が車いすに座って必死に車輪をこぎ、計測された最大スピードでの競争で、一気に場が盛り上がる。数組が対戦して児童たちも興味津々だ。

続いて車いすリレー。教員チームを含めて4チームに分かれ、通常の車いすで、パイロンの間をスラロームしながら走り、リレーしていく。真っすぐに行かない。曲がれない、腕の力がかなり必要など、車いすの操作の難しさを体験する。

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