女性殺到!広がる「ニューバランス」ブーム 地味なスニーカーが売上高5割増

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USAモデル「M1400」の黒は品薄状態が続く

「N」の文字をあしらったスニーカーを販売するニューバランスが絶好調だ。カジュアル靴を扱うライフスタイル部門の2013年1~10月期の売上高は、前年同期比54%増。その中でも人気なのは価格の高いUSAモデルで、前年同期比86%増と大きく伸びている。

9月に投入をしたUSAモデルの秋冬新作「M1400」の黒色は、ニューバランスの直営店で大半のサイズが発売直後に売り切れ、現在も品薄状態だ。靴小売り大手のABCマートでも「スニーカーは今年好調だが、特にニューバランスは売れている」という。

購入客の中心は、20~30代の女性。ニューバランスといえば、かつて90年代のスニーカーブームに熱狂した30~40代男性が主要顧客層のブランド。ここ数年の販売は微減が続いていた。そんなブランドがなぜ急に若い女性の支持を得るようになったのか。

服との合わせやすさが魅力に

ニューバランスジャパンの鈴木健マーケティング部長は「女性のライフスタイルの変化が大きい」と分析する。「登山やランニングのブームをはじめ、女性が普段からスポーツを楽しむようになった影響で、街中でもスニーカーを履くようになった」。

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ベーシックな色が多い

ただ、「ニューバランスはマーケットイン(顧客の声を基に商品を開発する)のブランドではない」(鈴木氏)。女性客を狙ってデザインに手を加えたり、価格を下げたりはしていない、という。

ブームのきっかけは、人気女性モデルのブログやファッション雑誌などに、おしゃれなアイテムとして取り上げられるようになったことだ。

他社のスニーカーは派手な色使いのモノも多いが、ニューバランスはグレーやベージュなどベーシックで地味な色が中心。さまざまな服に合わせやすいのが魅力になっている。

人気に火が付き、これまで取り引きのなかった小売店からの引き合いも強い。ただ「ブランド価値を守るため、販売先を厳選している」(鈴木氏)こともあり、過熱感がより高まっている。また、ブームは20~30代の女性だけでなく、40代以上の女性にも広がりつつある。店頭での品薄状態はもうしばらく続きそうだ。

(撮影:梅谷秀司)

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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