東京マラソンの人気をいまさら説明する必要はないだろう。来年2月23日に8回目を迎える同大会(マラソン一般の部)の抽選倍率は10.3倍。“出場権”はプラチナチケットになっている。東京マラソンの抽選倍率は第1回が3.1倍、第2回目が5.2倍、第3回が7.5倍というように右肩上がり。これは各地の人気レースも同様で、大会を走りたくても走れないランナーが続出しているのだ。
マラソン大会のエントリーは大きく2種類に分けられる。ひとつは東京マラソンのように数週間のエントリー期間を経ての「抽選」で、もうひとつが早い者勝ちの「先着順」だ。人気大会ではどちらの方式でも、スタートラインにたどり着くまで、険しい道のりが待っている。
まずは「抽選」の大会から見てみよう。今年度の大規模レースの倍率は以下のとおりになっている。先日行われた大阪マラソンはフルマラソン定員2万8000人に対して応募総数14万5254人で、当選倍率は約5.19倍だ。11月17日開催の神戸マラソン(1万8000人)は約4.5倍。3月の京都マラソン(1万5900人)は一般枠が約3.5倍と過去最高になった。女子マラソン大会としては世界最大級となる3月の名古屋ウィメンズマラソンも、 一般エントリーの定員1万人に対し 申込総数は1万9384人で、抽選倍率は約1.9倍だ。
当選するかは運に任せるしかないが、ランナーを悩ませているのが、抽選ゆえに大会スケジュールを組むのが難しいことだ。ランニング人口が増える一方で、“大会難民ランナー”も確実に増加している。
人気大会の多くはレースの4~7カ月前に、数週間のエントリー期間があり、抽選結果が出るまで数カ月を要する。そのため、他レースの予定が組みにくい。また、抽選だからといって、数多くのレースに申し込んでいるランナーも多く、それが抽選倍率をさらに押し上る要因にもなっている。
本当は友達同士で走りたいのに…!
近年は「先着順」から「抽選」方式に切り替える大会も増えており、友達同士でレースに参加することが困難になってきている。ランニング仲間の女性が友達4人で出場しようと、1月の新宿ハーフシティマラソンにエントリーしたものの、今回から抽選となり、当選したのは彼女だけ。「ひとりで参加するのは微妙だな。どうしようかな~」と悩んでいた。大会は仲間と出場することで楽しさが倍増するが、抽選の大会ではそんな楽しみが奪われてしまうこともある。
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