激増するマラソン大会”難民”を救え! こんな「アナログ」エントリー方式でいいの?

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ちなみに筆者は地元で行われる名古屋シティハーフマラソンに友人たちとエントリーしているが、こちらも抽選だ。申込者総数は1万6540人、抽選倍率は約1.65倍。抽選結果は、11月5日に登録したメールで知らせてくれるらしい。東京マラソンのように10倍くらいだとあきらめがつくけど、こんな微妙な倍率で自分だけが外れたときのショックは大きい(笑)。

こんなランナーの思いを踏まえて、「グループエントリー」を実施している大会もある。たとえば、神戸マラソンは2人か3人でのグループエントリーが可能だ。全員が当選、もしくは落選となるため、ひとりぼっちになる心配はない。個人的には、なかなかいいシステムだと思う。ちなみに大阪マラソンもグループエントリーを採用しているが、3〜7人で参加料は一律9万8000円(おそろいのグッズ付き)。個人での参加料が1万円ということを考えると、ちょっと割高だ。

「先着順」の“クリック合戦”

抽選でない大会は、「先着順」となる。これなら確実に出られると思ったら大間違いだ。メジャーな大会では、エントリー開始から数時間から数日で定員に達してしまうため、のんびりとはしていられない。特に人気の高いレースでは、パソコン前での“クリック合戦”が待ち構えている。

近年の大会申し込みは専門サイトからのネットエントリーが主流で、「ランネット」と「スポーツエントリー」がメジャーなサイトだ。たとえば、12月1日に行われる那覇マラソンは、8月5日の午前9時にエントリーがスタートしたが、半日足らずで、定員(2万5000人)に到達。同日の19時30分には、参加申し込みの受け付けを終了した。また、11月3日に開催される湘南国際マラソン(フル定員1万6200人)も夜の20時にエントリーを開始して、明け方の午前4時には受け付け終了となった。

大会によってエントリー開始時間が違うが、人気大会では数時間で定員に達してしまう。この時間帯にパソコンやスマホを操作できなければ、そこでOUTとなる。

しかも、ネットをつなげても、すぐにエントリーまでたどり着かないのがじれったい。数千人以上が一斉にアクセスするため、サイトがつながりにくい状態になっているためだ。「ランネット」では、「3000人待ち」のように表示される。数分ごとに更新されて、その人数は減っていくものの、次のページに進むたびに、同じように待つことになる。その結果、エントリーが完了するまで1時間以上を費やすことも少なくない。

やっとエントリーができたとしても、参加料をコンビニ払いにしている人は要注意。すぐに支払いを済まさなければ、クレジットカード払いの人に先を越されて、エントリーが無効になることもある。抽選か、クリック合戦か。いずれにしても、スタートラインに立つためには、こうした“予選”を突破しなければならないのだ。

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