仲:でも結局、出版社を選びましたよね。なぜですか?
閑歳:インターネットが好きだからってインターネットの会社にそのまま入ると、自分にはそれしかバックグラウンドがなくなってしまうのではないかと心配したからです。出版社だったらいろいろな人に会えるだろうし、今まで自分が知らなかった視点が持てるかもしれない。それにMicrosoftに行ったらどんな生活を送るかイメージできたけれど、出版の世界は全然わからなかった。想像もつかない状況になったほうが面白いのではと思いました。
あとは、独自のコンテンツを持っているところに入りたいという考え方は持っていました。日経BPは当時からネットに力を入れていて、「BizTech」というビジネス情報サイトを持っていました。私は記者を志望していたわけではなくて、どちらかと言えば「BizTech」のようなインターネット情報サイトの企画にかかわれたらいいなと考えていました。大学生のときに、友人とSNSのはしりみたいなものを作っていたことも影響しています。プラットフォームがしっかりあって、そこで人がうまく動くようなインフラを作りたいという気持ちがありました。
フェイスブックより早い学内SNS
仲:そのSNSみたいなものって、実はFacebookよりも早かったんじゃないかとウワサされている大学内SNSですよね? 慶應のSFCって早い段階でSNSがあって、閑歳さんがそれを作ったそうですね。
閑歳:そうそう、2000年頃でしたね。今、うちの会社の取締役をやっているエンジニアと、彼を含めた4人で作りました。たぶん当時、学内の95%くらいが入っていたかな。
仲:95%の利用率! それすごいですね! やっぱりそういうネットサービスを作ることを学生の頃からやりたかったんですね。
閑歳:そうかもしれませんね。自分が作った仕組みを、皆が便利で使っているって、すごく楽しいなってそのとき感じました。
仲:なるほど。それで出版社で3年半記者として働いて、2社目に転職。最初から何年かしたら転職しようって計画していたとか?
閑歳:全然。3年半で辞めるなんて思いもしなかったですよ(笑)。
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