創業100年「TOTO」が成長し続ける根本理由 TOTO社長「M&Aも、優れた経営者も不要だ」
僕が名経営者である必要なんかない
――業績、株価とも好調です。経営手腕を発揮できた実感がありますか。
いやいや、今の結果は前社長、前々社長が作ったもの。僕の成果だなんて、おこがましくて絶対に言えない。僕がやったことの成果が出るのは、次の社長の時代からです。そもそも僕たちは、個々の社長のカラーなんていらないと思っていますしね。
――社長の個性は、いらない?
いらない。TOTOのカラーさえあればいい。
――普通は「優れた経営者として認められたい」という欲が経営者にはあると思います。「自社だけでなく、できるなら財界の顔にもなりたい」と考える人もめずらしくない。
うそでしょう。そりゃあちょっとはそんな経営者もいるかもしれないけれど。TOTOの社長はだいたい、5~6年で交代します。一方、わが社の製品の買い替えスパンは10~20年。社長の任期に対して、商品の寿命が圧倒的に長いのです。だから、自分の社長時代に製品を買ってくれた人が次もTOTOを選んでくれるときには、自分はもう間違いなく会社にいません。



















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