「マンション管理人」の人手不足がヤバすぎる 知られざる実態、時給3割増でも集まらない
東京都江東区にある約160戸のマンション。管理人の佐藤さん(仮名)が4月に72歳の誕生日を迎え、定年となった。と同時に、管理会社との契約で3人と定められた管理人が1人欠員となった。
このマンションを管理する会社は、佐藤さんが定年を迎える1年以上前から人員を募集していた。だが、この日まで応募はなかった。
「このような事態は都心部のあちこちのマンションで起きている」。複数の管理会社の幹部はこう口をそろえる。
管理人がつねに15%程度不足
他のサービス業と同様、人手不足に直面しているが、その実情はほとんど知られていないのが、マンション管理業界だ。
たとえば東京の城西地区を軸に展開する大手管理会社は、物件に必要な管理人がつねに15%程度不足しているという。
マンションでは、管理組合が実際の清掃やフロント業務を専門の管理会社に委任する。管理会社は、マンション1棟だけを管理する会社から、42万戸を管理する大京アステージや独立系の日本ハウズイングなどの大手まで、2185社(国土交通省調べ)がひしめく。
そのうちの1社の幹部は言う。「われわれは新規受注獲得、業容拡大が使命。管理人さんがいないのでこれ以上引き受けられない、できませんとは言えない」。
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