「UR高級マンション」民間運営でどうなった?

宝の持ち腐れになっていた都内一等地物件

敷地が広く、川沿いにあることもあり、タワーが林立するようになってもリバーシティ21からの眺望はほとんど変わっていない(筆者撮影)

隅田川と豊洲運河に囲まれた中央区佃。銀座から程近いこの湾岸地域にそびえ立つタワーマンション群「大川端リバーシティ21」をご存じだろうか。1988年に賃貸住宅の募集が始まった当初は50倍と、一世を風靡したタワマンの先駈け的物件だ。「眺望はウリになる」ということを世間に知らしめたのもこの物件である。

が、発売時、どんなにヒットした商品でもその後売れ続けるのはまれだ。住宅も同様で、都心の一等地にありながら、忘れかけられている物件がある。「リバーシティ21」はまさにその典型例ともいえる物件だが、ここへきて「大家」である独立行政法人都市再生機構、略してUR都市機構が、民間にサブリースすることで収益を改善しようという取り組みが始まっている。

URといえば、かつての住宅公団の賃貸住宅77万戸を擁する、日本最大の大家。2016年3月期には、406億円の最終利益を計上しているが、その先行きは決して明るいものではない。今後の人口減に伴って空室が増えることや、所有する住宅の約半数が築40年以上ということから発生する維持修繕費の増加を加味すると、2013年の時点で10年後にはマイナスに転じ、20年後には年間980億円の赤字になると試算されているのだ。

1万3000戸を民間にサブリース

こうした中、2004年のUR誕生後、何度か「UR改革」の議論が起きている。2007年には民営化が提起されたし、2010年の民主党による事業仕分けでは、高齢者・低所得者向け住宅の自治体などへ譲渡するといった案が出た。しかし、低利の財政投融資を利用し、広大な土地に余裕を持って建てられた団地型の住宅を民営化するとなると、大きなマイナスが出る可能性が高く、提案は声かけで終わった。

これに続いて、2013年に閣議決定されたのが、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」だ。この中で最も賃貸市場に影響を与えそうなのが、約1万3000戸の都心の高額賃貸住宅を民間にサブリースするという案で、これに基づき、2014年11月からUR物件の運営事業者の募集を開始。2017年3月の時点では14団地、6002戸の公募を実施し、10団地4872戸で運営事業者を決定、残り4団地1130戸は公募中となっている。

リバーシティ21の室内からの眺望(筆者撮影)

注目したいのは、これらの物件がいずれも都心の超一等地にある、かなり質の高い住宅ぞろいという点だ。中でも、リバーシティ21は前述のとおり、超優良物件だ。

その後、豊洲地区を中心にタワマンが林立し、現在では埋もれてしまっている感があるが、東京駅へ直線距離にして2km、バスで10分ほどという立地に加えて、隅田川に臨む桜並木の遊歩道など成熟した街並みは魅力にあふれている。加えて天井高4mもある部屋や、2世帯近居などが可能な離れのある部屋など個性的な間取りも豊富にそろっている。

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