「自転車で国内一周」が台湾で大流行のワケ 新しい台湾旅スタイル「環島」のススメ
台湾を食べる、台湾で癒やされる、台湾で歴史を学ぶ。いままで、台湾に関する旅のスタイルは、せいぜいこの3つだった。一青妙氏がこのほど刊行した『「環島」ぐるっと台湾一周の旅』(東洋経済新報社)では、この3つの台湾旅の楽しみを、一気に、一度に味わえる方法を日本の読者に提案している。本稿では、去る10月、一青氏による8泊9日台湾自転車一周体験記をお届けする。
大流行している台湾自転車一周旅行
10月下旬、私は、台湾の最南端に位置する屏東県の山岳部にある「寿峠」で、「加油(ジアーヨウ)、頑張れ、加油、頑張れ」とぶつぶつ唱えて自分を励ましながら、自転車のヒルクライムに挑んでいた。
海抜460メートルの寿峠は日本統治時代に名付けられた名前がそのまま使われている。急峻な坂道がおよそ5キロメートルにわたって続く。なぜ、私はそんな場所でペダルを踏んでいるのか。
それは台湾を「環島(かんとう)」しているからだった。「環島」とは、文字どおり、島を一周まわることを指す。中国語では「ホワンタオ」と読む。いま台湾で大流行している自転車旅である。
台湾は周囲をめぐると全長約1000キロメートルに達する。サツマイモによく似た縦長の形をした島だ。島の中央には南北に3000メートル級の山々が連なっている。東西の行き来には、必ず山越えをしなければならない。寿峠は南側の山越えで、環島のなかで最大の難所とされている。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら