強引にリフレ政策を進める、安倍政権の末路 インフレ下の景気後退局面では、中央銀行は何もできない

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原油価格の高騰は14年まで?(写真のボードは、08年のリーマンショック直前のガソリン価格:撮影:今井 康一)

世界的に原油価格が高いのは、来年の2014年までではないでしょうか。

今の原油価格が高止まりしている要因は明らかで、中東地域における地政学的リスクにほかなりません。シリアの内戦、エジプトの政情不安、イランの核開発疑惑、イラクのロシアからの武器輸入問題など、複数のリスクが重なることによって、周辺産油国からの原油の安定供給を妨げるのではないかとの観測が高まっているからです。

原油価格の上昇は、一時的にとどまる

最大のリスクはイスラエルのイランに対する軍事攻撃の実施ですが、これが現実のものとなれば、おそらく原油価格は120~130ドル程度までの上昇を余儀なくさせられるかもしれません。

 ただしこれはあくまでも一時的なもので、穏健派が主導権を握ったイラクが、今後は国策として精製工場を大増設し、石油輸出拡大を打ち出していることから、過去の連載でも述べたように、世界的に原油価格は右肩下がりで推移していくものと思われます。

中東のほかの産油国、とりわけアラブ首相国連邦のドバイや現時点で世界最大の産油国であるサウジアラビアなどは、原油の余剰時代を強く意識しているようです。稼ぎ出した原油マネーを原資に、新たな産業の創出に躍起になって取り組んでいます。

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