原油1バレル=150ドル時代は2度と来ない シェール革命がもたらす、「ピークオイル論」の終焉

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
拡大
縮小
原油が1ドル=150バレルに迫る時代は、もう来ない(写真は2008年の高騰時、撮影:今井 康一)

原油価格の代表的な指標であるWTIの推移を見ると、2008年1月に初めて1バレルあたり100ドルを超え、同年7月には150ドル近くにまで高騰したことがありました。

原油が「超高騰」する時代は、もう来ない

しかし、もう二度と150ドルに迫るような場面は訪れないだろうと思われます。シェール革命によって、化石燃料の寿命は少なくとも400~500年延びたといわれる中で、世界の原油生産量はすでに頂点に達し、その後は減少に向かうという「ピークオイル論」は明確に否定されてしまったからです。

世界の人々が原油の枯渇を心配したピークオイル論の時代は、これまで何度かありました。第2次世界大戦以降では、オイルショックが起こった1970年代、原油が高騰した2005~2010年がこれに当たります。原油が枯渇するという根拠は、原油を発見・採掘する技術が限界に突き当たるという見解から来ています。

次ページ技術革新で、現実は過去の想定と違ったものに
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT