「海賊と呼ばれた男」も愛した、迫力の名画 モローとルオー、時空を超えた師弟関係

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ジョルジュ・ルオー『キリスト教的夜景』1952年 ポンピドゥーセンター国立近代美術館蔵 ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-GP/Philippe Migeat/distributed by AMF

神々しい光に包まれた『キリスト教的夜景』は、ルオーの晩年の風景画。「夢か現実か区別がつかない、既視感のあるような風景になっている。ルオーはモローの教えを最晩年に実現できたのでは」と後藤教授は語る。

今回の展覧会はパリのギュスターヴ・モロー美術館の館長が監修し、モローとルオーの油彩画、素描、書簡など約70件が展示されている。モローはあの世に行ってからもルオーの師であり続けた。師弟関係は時空を超えた。その2人が今、汐留で競演しているのが不思議に思える。2年後には、この展覧会がパリのモロー美術館に巡回する予定だ。

 

「モローとルオー -聖なるものの継承と変容-」

9月7日(土)~12月10日(火)
パナソニック 汐留ミュージアム

東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
10:00~18:00(入館は17:30まで)
水曜休館
一般1000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料

12月20日~2014年3月23日に松本市美術館に巡回


 

仲宇佐 ゆり フリーライター

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なかうさ ゆり / Yuri Nakausa

週刊誌のカルチャーページの編集・執筆を経て、美術展、ラジオ、本などについて取材、執筆。全国の美術館と温泉をめぐり歩いている。

 

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