出光興産、米国シェール革命に乗る

米ダウと提携、三井物産との合弁で石化製品工場建設へ

海外戦略を加速している出光興産が、シェール革命による米国産天然ガスの大幅値下がりを活用し、得意の石油化学製品で一気に世界シェアを引き上げる方策を打ち出した。

出光は三井物産と折半出資で合弁会社を米国に設立し、成長性の高い石油化学製品とされるアルファ(α)オレフィンの製造販売事業を行うことで基本契約を締結した。さらに両社は、米国最大の化学メーカーであるダウ・ケミカルと、同事業の原料となるエチレンの調達と製品の一部販売で基本合意に達した。生産能力は年産33万トンで、2014年1~3月に最終投資決定を行い、16年中に稼働する予定。総投資額は未定だが、数百億~1000億円に達する見込みだ。

独自技術の強みを生かし海外市場で攻勢

αオレフィンの用途は、ポリエチレンなど合成樹脂の添加剤(強度向上)や洗剤、高機能潤滑油、製紙用薬剤など多岐にわたる。世界需要は年間300万トン(約5000億円)を超え、今後も世界のGDP(国内総生産)成長率を1~2%上回る伸びが見込まれている。

出光はαオレフィン製造で独自技術を持ち、国内ではリーダー格。千葉工場で年間5.8万トン(売上高100億円弱)を生産している。ただ、世界市場ではシェル(12年のシェア34%)、シェブロンフィリップスケミカル(同32%)、イネオス(15%)、サソール(同11%)の海外4社で90%以上のシェアを占めており、出光のシェアは2%弱にとどまる。それに、出光が売り上げの半分を依存する国内市場は、成熟化で需要が頭打ちの状態にある。

出光にとって、独自技術を生かしてシェアを上げるには、海外市場を開拓するしかない。それには原料を安く調達し、消費地に近い場所で生産することによってコスト競争力を高める必要がある。その手段として決断されたのが、今回の提携だ。

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