香港住民は大陸からの越境を歓迎していない 中国大陸から香港へ通う子供たち<下>

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中国に返還されて20年が経った香港で起きていることとは?
香港がイギリスから中国に返還されて20年が経った。香港が置かれた「一国二制度」とは、高度な自治を約束され、中国本土の社会主義体制に染まる必要がない50年の猶予期間。当初はこの間に、中国が香港化するのではないかという「期待」もあっただけに、今日の結果を誰が予想できたであろうか。
現実は、香港が中国化してしまった。その現実を認めるには、なにも返還記念式典に中国の習近平国家主席がやって来て、「中央政府への挑戦は許さない」と演説して香港の独立機運ににらみを利かせる必要も、閲兵式と称して誰に銃口を向けているかわからない人民解放軍を見せびらかす必要も、実はなかった。
ここに取り上げた中国人の庶民の目を通して見れば、香港がいかにして中国化しているのかがよくわかる。香港と中国本土の間(はざま)にいる家族を通じて浮き彫りになる「香港問題」を3回に分けてお届けする。

香港の住民は歓迎していない

香港の市民は必ずしも本土から越境してくる子どもたちを歓迎していない。本土の子どもたちが多くやって来る地域で話を聞いてみると、予想以上に反発の声が強かった。

「大陸の子があまりに多いので、香港この地区の子が他の地区の学校に行かなくてはならない」(中学生の少女)

「自分の弟は幼稚園に通っているけど、クラスに本当に大陸の子が多く、彼らの言葉をまねるので広東語がうまく話せなくなっている。うちの家庭では、みな広東語を話すのに、おかしなことになっている。たまに(大陸からの)子どもたちが路上で大小便をしていのを見掛けるから汚い」(20代とおぼしき女性)

「(大陸の子は)礼儀正しくありません。一緒に勉強すると香港の子が悪い影響を受けてしまうと思う」(30代とおぼしき男性)

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