「二人っ子」が欲しい!中国人のホンネと現実 ネックの教育資金は祖父母のサポートが頼り

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「二人っ子」が認められることになった中国。中国人の多くは「二人っ子」を欲しいと思っている。しかし、そのネックとなりそうなのは?(写真:Kzenon / PIXTA)

中国は1979年より国策として「一人っ子政策」を実施した。これは少数民族以外の都市戸籍の家庭に対し、「一組の夫婦、一人の子供」を強制するもの。違反すると高額な罰金の支払いや解雇など厳しい処分もあった。しかし、人口ボーナスの減少、黒孩子(違法で生まれた戸籍のない二人目の子供)および失独家庭(一人っ子を失い老後の支えがなく悲惨な余生を送る夫婦)の増加などにより、今年から一人っ子政策を廃止し、二人目の子供の出産を認めるようになった。いわゆる「二人っ子政策」である。

「二人っ子政策」に関する世論や記事の多くは、本当に効果があるのかと疑問を呈す。理由の一つは、80年代生まれ(80後:バーリンホウ)以降、女性のライフスタイルが多様化し、伝統的な「そこそこな仕事+子持ち志向」はもちろん、「ゆっくりした家庭を大事にする専業主婦志向」や、独身、DINKS志向の女性もいるからだ。子供の有無は幸せの必須条件ではなくなりつつあるので、子供の数は増えないだろうと言うものだ。

しかしながら、私は「中国人は本質的に二人っ子を欲しい」のではないかと思う。

テレビ番組が刺激した「好」家庭への憧れ

2013年~2015年にわたり、「パパ、どこ行くの?」というテレビ番組が、中国全土を席巻した。若者に人気がある湖南テレビが、韓国のテレビ局から著作権を購入して制作したリアリティ番組だ。中国でよく知られている有名人男性5,6人が、車も通らないような山奥の農村からニュージーランドまで、一人で小さな子供(当時3~8歳)をつれて「冒険」する。

子供と一緒に過ごす時間があまりない有名人の父親が、普段とは違う場所で一般人と同じく焦ったり、笑ったり、怒ったり、泣いたり…。普通の父親と同じように、子供とぶつかりながら、親子の絆を深めていく姿が描かれた。幅広い層に支持され、3シーズンとも高い視聴率を収めた。

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