中国政府は経済安定化政策を徹底できるのか

不徹底なら世界経済の大きな足かせになる

中国政府が経済政策を徹底できないと、金融市場の不安定化が続きかねない(写真:ロイター/アフロ)

2016年の世界の金融市場は大荒れで始まり、日本株は年初から一時10%近い急落となり、年始としては歴史的な続落になった。同様の株価下落が先進各国で起きているグローバルな現象で、米国などでも2015年8、9月の大底に株価が再び接近する下落となっている。株式市場が高値から10%前後下落する局面はこれまでも年に1、2回はあり、米FRBの利上げ開始によってマネーフローの行方が変わる思惑で、市場で不確実性が高まるのは避けられないが、年始早々に投資家のリスク回避姿勢が極度に強まった。

すでに12月中旬から株式やハイイールド社債などリスク資産は、下落する原油価格次第で下振れる値動きをみせ、原油市況下落が新興国経済の停滞の表れとみなされ、その値動きに株式などのリスク資産が連動する2015年半ばと同様の様相となっていた。そんな中で、年始早々に人民元が連日で減価し人民元切下げが想起されていたところに、中国株式市場でのサーキットブレーカー発動を伴う急落が併発。また、中東情勢緊迫化で原油の生産調整が難しくなると解釈され、原油価格下落を後押しする悪材料も重なった。

強弱入り交じっている各国の経済動向

一方、経済動向を表す各国のデータは12月初旬から1月までに判明したものを総じてみれば、強弱が入り混じっている。製造業ではエネルギー・セクターの調整が響き米製造業の景況感や生産や受注の戻りは鈍く、12月分のグローバル製造業PMIは前月から若干だが低下した。ただ、国別にみると、欧州、韓国、台湾で改善が続くなどまちまちであり、製造業の景況感指数は昨年9月の大底対比では若干ながらも上回っており、製造業循環の回復が途絶えたわけではない。

エネルギー・セクターの減産や業績悪化が長引いているが、米国を中心に世界的に消費など国内需要が底堅いままである。米国では、好調だったサービス業の景況感はやや低下したが、12月の消費センチメントは改善し、また暖冬で上振れた分を差し引いても雇用者の伸びは、FRBが想定している失業率を低下させるペースを超える増加ペースを保っている。

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