一人っ子廃止ふざけるな!今の中国人の本音 "大本営発表"に従わない世代がやってきた
「一人っ子政策を廃止したことについてどう思うか、ですって? う~ん。そんなこと、私たちには関係ないんですけど。もともと、子どもなんてあまり欲しくなかったし……」
10月末、中国政府は1979年末から36年間続けてきた「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦が2人の子どもを持てるようにするという大きな政策転換を発表した。この件で、2年前に結婚した上海在住の29歳の女性の顔が思い浮かび、すぐにメールしてみたのだが、やはり……というべきか、つれない返事しか返ってこなかった。
今どき中国人たちの本音
私はこれまで中国の「個人」に的を絞り、彼らの生活や仕事、人生観などについてインタビューを行い、「結婚」や「子育て」についても興味を持って話を聞いてきた。
以前取材した北京の外資系企業で働く夫婦共働きの女性(31歳)は出産について、こう語っていた。
「もし子どもを産めば、それだけ仕事のキャリアが遅れてしまう。子育ては両親にかなり任せられるとしても、北京でレベルの高い私立の幼稚園に入れようとしたら、年間10万元(約190万円)近くはかかるでしょう。もし産むのなら、一流の大学に進学させたいし。でも、正直いって、子どもを産んでもっと忙しくなるよりも、夫婦でゆとりのある暮らしをしたいわ」
また、上海に住む弁護士の男性(33歳)も「結婚と同時にマンションを買いましたので、そのローンが大変で、子どもどころではありません。親孝行のために1人は産もうかと夫婦で話し合っていますが、2人なんて、上海ではとんでもない話です」と顔をしかめていた。
中国の代表的なSNS、「微信」(中国版LINE)上でも、今回の政策廃止について否定的な意見が飛び交った。
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