東芝の半導体、「総額1.9兆円の買収」で調整

WDが拠出するのは1500億円のみ

 8月24日、東芝の半導体子会社売却で、新たに交渉先に決まった米ウエスタンデジタル(WD)陣営が、買収総額として1.9兆円を計画していることが明らかになった。写真はWDの社屋。カリフォルニア州アーバインで1月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake/File Photo)

[東京 24日 ロイター] - 東芝<6502.T>の半導体子会社売却で、新たに交渉先に決まった米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>陣営が、買収総額として1.9兆円を計画していることが24日、明らかになった。

WDは各国の独禁法審査を回避するために転換社債1500億円の拠出にとどめ、議決権は持たない。東芝も1000億円の出資を残す方向だ。複数の関係筋が明らかにした。

WDの1500億円のほか、米系ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>が3000億円、政府系の産業革新機構が3000億円、日本政策投資銀行が3000億円を出資する。東芝も1000億円の出資を残し、一定程度、経営に関与する。

そのほか日本企業が500億円の社債型優先株を持つ方向で調整しており、日本勢で議決権の6割超を確保する計画とした。

出資以外に借り入れとして、主力取引行の三井住友銀行とみずほ銀行、主要取引行の三菱東京UFJ銀行の3行が7000億円を融資する方向で調整している。

東芝は、産業革新機構や米系ファンドのベインキャピタルなどが組成する日米韓連合との優先交渉期限が事実上切れたと判断し、合弁先のWDとの本格協議に入っている。

WDは当初、15%の議決権の確保を求めていたが、各国の独禁法の審査を通すために放棄した。ただ、WDからの人材派遣などを含めて関与の仕方などの細部が詰め切れておらず、最終的に合意に至るかどうかは流動的だという。

WDは他社への半導体子会社売却に反対の差し止め請求を起こしており、東芝は訴訟リスクを回避するためにWDとの交渉を優先させる方針に転じた。WDは資金拠出が認められれば訴えを取り下げる方向で、今後、両社で条件を詰めたうえで8月末までの合意を目標に協議する。

この件について東芝は、「ディールの詳細についてはお答えしていない」(広報)としている。

また、WDは「今の段階では、コメントできない」(広報)と答えた。KKRと産業革新機構はそれぞれ、「ノーコメント」としている。

(布施太郎 取材協力:浜田健太郎、志田義寧、山﨑牧子 編集:田巻一彦)

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