東芝、メモリ売却を巡る「泥仕合」の一部始終

合弁相手の米WDと激しい応酬が続く

売却交渉が進む三重県四日市にある東芝のメモリ工場。写真は2014年に完成した第5工場(編集部撮影)

経営危機に瀕する東芝。窮地脱出の命綱とする半導体メモリ事業の売却交渉がますます混迷してきた。

同事業の売却に関しては、メモリ工場を合弁で運営する米ウエスタンデジタル(WD)が自社の同意なしの売却を契約違反として反対。東芝は「WDの主張に根拠はない」と反発しつつも、妥協点を探るべく交渉が続けられてきた。

しかし、事態は新たな展開を迎えた。5月31日に東芝がWDに対して、子会社東芝メモリが持つ合弁の出資持ち分を東芝本体に移すことを検討するとの意向を書簡で伝えたのだ。

翌6月1日にはWDが「東芝によるWDの権利の行使を回避する試みがあるとすれば、それは阻止する」とのコメントを発表。

と説明しても、両者の関係が悪化していること以外、もはや相当事情に詳しい読者以外は、何が何だかわからない事態となっているはずだ。ここで状況をまとめよう。

大成功を収めた東芝・SD連合

東芝が米半導体ベンチャーのサンディスク(SD)とメモリ事業で提携したのは1999年のことだ。

開発や生産で手を組んだ東芝・SD連合は、大きな成功を収めた。NANDフラッシュメモリで、両社のシェアを足し合わせると韓国サムスン電子ときっ抗するまでに育った。

スマートフォンの高性能化に伴う搭載メモリの増加に加え、IoT需要が拡大するデータセンターの記憶装置としてNANDの使用が広がっていることなどから、両社のメモリ事業は足元で巨額利益を稼ぎ出している。

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