東芝の監査法人、「PwCあらた」が一転継続へ 一度は決裂した両社が急接近した理由
一度は決裂した東芝と監査法人が今、互いに大きく歩み寄っている。
東芝の今2018年3月期について、PwCあらた監査法人が監査を継続する方向で検討していることが複数の関係者への取材でわかった。
東芝とあらたは、昨年末に発覚した米原子力子会社ウエスチングハウスにおける巨額損失の計上時期をめぐり激しく対立した。
東芝は、2度にわたり延期した2017年3月期第3四半期決算発表を、4月11日に「必要な調査は完了した」として断行。一方のあらたは、過去の決算でも当該損失を認識すべきだったのでは、との疑念を捨て切れず「意見不表明」という異例の判断を下した。
決算発表をめぐり東芝とあらたが決裂
東芝に常駐していたあらたの監査チームは同日に撤収。大手監査法人の関係者によればその後、「東芝以外の顧客探しに奔走し始めた」。東芝も中堅の太陽監査法人を軸に、別の監査法人を当たり始めていた。
事態が動いたのは4月下旬。あらたの社員集会で、「監査法人が意見を表明しないのでは、資本市場に対する社会的責任を果たしているといえるのか」という疑問の声が相次いだ。
一方、監査法人変更に向け動いていた東芝には、「オピニオンショッピング(都合のよい意見を書きそうな監査法人と契約し直すこと)はいかがなものか」と金融庁や東京証券取引所が牽制。太陽のような中堅監査法人には、大企業の監査は負担が大きすぎるという現実もあった。
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