コナミを辞めた小島秀夫が語るゲームの未来

クリエイターを取り巻く環境は激変した<上>

エンタメ業界の危機と未来について聞く(撮影:梅谷秀司)
1987年の発売以来、世界で累計5160万本以上を売り上げたコナミの家庭用ゲーム「メタルギア」シリーズ。そのクリエイターであり、開発者である小島秀夫氏は、2015年12月にコナミデジタルエンタテインメントを退社し、インディーズ(独立系)スタジオ「コジマプロダクション」を立ち上げた。現在はPS4向けの新作ゲームタイトル『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』を開発している最中だ。30年にわたりゲーム開発に携わり、無類の映画好きとしても知られる小島氏に、エンタメ業界の危機と未来について聞いた。今回はその前編。なぜ小島氏はインディーズで起業したのだろうか。
後編「小島秀夫は世界のエンタメをどう変えるのか

インディーズで起業したのはなぜか

――2015年にコナミを退社して独立する際、多くのオファーがあったはずです。インディーズでの起業にこだわった理由は?

コナミを辞めたとき52歳でした。残りの人生が短いので(笑)自分の好きなことをしたかった、というのもありますが、「インディーズでの起業にこだわった」わけではないんです。自分に求められていることを実現するための選択が、現在のコジマプロダクションという形態だっただけです。僕がこの業界に入った30年前は、ビデオゲームを作るためには、ある程度の資本がある企業やスタジオに所属するしかなかった。開発はもちろん、パブリシティや販売など企業の体力が必要だったのです。でもこれからは、そうではないんです。

才能があれば、個人でもゲームは作れます。ゲームの開発ツールやエンジン、映像の編集ソフトも無料で公開されて、パソコンが1台あれば誰でも使えます。ネットに作品をアップすれば、世界中のユーザーに発信できる。これは映画でも音楽でも小説でも同じです。以前とは比べものにならないくらい簡単に、個人やインディーズでゲームや作品が作れるし、伝えることができます。ゲームを作るのに、大企業の体力やシステムは必須ではなくなってきている。

ただ、僕がやろうとしていることや、世界中のファンから求められているAAAのハイエンドのゲーム開発は、個人の規模ではまだできない。しかも、これまでにない新しいゲームを作るためには、既存のスタジオとのコラボ開発では限界があります。僕の意思や指示がダイレクトに反映できる組織を作る必要があったんです。そのために、最新のテクノロジーとそれを扱えるスタッフを集めた、というのが実情です。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。