――30年間、コナミで開発を続けてきました。
僕がコナミに感謝しているのは、作りたいモノを提案したら作らせてくれたことです。ゲーム業界の黎明期だったということもあるでしょうが、バジェットを含めた計画を説明すれば「やっていい」と言ってくれました。逆に「こうしなければいけない」という縛りもありませんでした。新人時代は別として、会社から何かをしろと言われたことはありません。あくまで自分からの提案で、こういう狙いで、こういう時期に、このくらいの人材で、こういう未来を見据えて、こういう作品を作らせてくださいと言えばやらせてもらえた。在籍した最後までそうでした。それがあったからこそ今の自分があります。
ただ、この業界も成熟したので、今の若い人たちはそんなに自由にはやらせてもらえないでしょう。ゲームが大作になり、システムやジャンルが出来上がって、固定化した弊害もあるでしょう。新卒採用された開発スタッフはラインに組み込まれ、3年も5年も爆発物やら背景の小物ばかりを作り続けている。作品のごく限られた部分にしかかかわれず、全体を見ることができないスタッフが多くなっています。その結果、どれだけ経験を積んでも自分ではゲームを作れない。その組織のシステムとツールとプロセスを使わなければ、成果物を出せないのです。
ミクロな知識とマクロな視点の両方が持てたのは
――縦割りに分断することで生産性が上がります。
ゲームでもハリウッドの映画でも同じですが、たとえば背景プロップやモデルなどのクリエイティブではない部分、メインではない部分は、量産することが求められます。なるべく原価を下げて利益率を上げるために、中国やインド、東南アジアの外注先を使っている。ただ、生産性にこだわりすぎると、新しいクリエイターが社内で育たないという弊害もあります。
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