JR東日本が英国で鉄道運行する「本当の狙い」

日本のトップ企業も海外の知名度は低かった

ロンドン郊外を走るロンドン・ミッドランドの列車。ロンドン―バーミンガム間の近郊輸送に活躍する(筆者撮影)

英国運輸省は2017年8月10日、オランダ鉄道旅客輸送部門アベリオの子会社とJR東日本、三井物産の合弁企業「ウェストミッドランズトレインズ」が、英イングランド中部のウェストミッドランド路線のフランチャイズ(営業権)を獲得したと正式に発表した。日本の鉄道会社が、海外の鉄道運営にかかわる初めてのケースとなる。

ウェストミッドランズトレインズ社は、オランダのアベリオ社の英国子会社、アベリオUK社が70.1%、JR東日本と三井物産の2社が残り29.9%を半々で出資する合弁企業で、今回のウェストミッドランド路線のフランチャイズを獲得するために誕生した。

3社と競合、営業権を獲得

英国は国鉄民営化の際、地域ごとに分離した日本や、運行業務とインフラを上下分離した欧州各国とは違い、政府が保有する各路線の営業権を競争入札によって決定し、数年単位で運行業務の権利を与える「フランチャイズ制」を導入している。

今回のウェストミッドランド路線は、これまでロンドン・ミッドランドというブランドで営業してきたゴヴィア社との契約が年内で切れることから、2026年までの新たな運行契約のために競争入札を行うことになった。その経緯は2016年7月1日付記事「英国の鉄道運行に初名乗りを挙げたJR東日本」において既報のとおりだ。ウェストミッドランド路線には香港をベースとする企業MTRの子会社と、現在営業しているゴヴィア社、そしてアベリオ・日本連合の3社が名乗りを上げていたが、このうちMTRについては2016年6月22日、他路線の権利獲得を優先させるために当路線の入札からは撤退することを表明しており、最終的には2社の争いとなっていた。

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