野球「独立リーグ」今後も続くには何が必要か

四国などで地元密着を確立したが課題も多い

6月25日に新潟県で行われた、独立リーグ、ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCとNPB(日本野球機構)の読売ジャイアンツ3軍との試合。選手育成において独立リーグは、すでになくてはならない存在になっている(筆者撮影)

今年のプロ野球もすでにシーズン後半に入り、熱戦が繰り広げられている。「プロ野球」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、セ・パ両リーグの12球団が戦うNPB(日本野球機構)のプロリーグのことだろう。だが、それとは別の「プロ野球」も、ここ日本の地に根を下ろし、今年も熱戦を繰り広げているのだ。

独立リーグという、もう一つのプロ野球

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日本に「もう一つのプロ野球」が誕生したのは2005年。香川、徳島、愛媛、高知の4県のチームが構成する「四国アイランドリーグ」がスタートした。

1980~90年代前半に"常勝軍団"として知られた、黄金期の西武などで活躍した石毛宏典が立ち上げたものだった。石毛は社会人野球の衰退を憂い、その受け皿として独立リーグの設立を思い立ったのだ。

プロ野球の歴史で、NPB以外にプロリーグができたのは、およそ60年ぶりのことだった。かつて1947年にできた「国民リーグ」は、既存のプロ野球と競合したために一切の協力を得られず、翌年には解散してしまう。

四国アイランドリーグは、国民リーグとは異なり、NPBとは協調路線をとり、指導者をNPBから招聘。NPBに選手を輩出しつつ、野球を通じて地域を活性化していくことを目的として立ち上げられた。

が、2005年4月に開幕したリーグの経営はすぐに行き詰る。経営のプロが不在のままで、資金繰りがショート。早くもリーグ戦が続行できない危機に直面したのだ。

四国アイランドリーグの草創期の経営を支えた鍵山誠氏。2016年3月にリーグ運営会社の代表取締役を退任。現在は四国アイランドリーグとBCリーグの合同機構である「日本独立リーグ機構」の会長を務める(筆者撮影)

このときに、リーグの経営を支援したのが四国アイランドリーグのスポンサー企業を経営していた鍵山誠。鍵山はスポンサー側を代表してリーグ運営会社「IBLJ」と交渉していたが、リーグ関係者に請われて経営の立て直しに着手した。

2005年は何とかリーグを維持し、翌2006年にはそれまで「IBLJ」の傘下で一体経営していた香川、徳島、愛媛、高知の4球団をそれぞれ独立採算にして分立。IBLJは、リーグ運営に専念することとなった。

それから12年。四国アイランドリーグは一時期、長崎、福岡、三重にもチームが出来たが、遠征距離の長さなどもあって撤退。2012年からはもとの4球団(愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズ、高知ファイティングドッグス、徳島インディゴソックス)に戻ってリーグは続いている。

リーグの正式名称が「四国アイランドリーグplus」となっているのは、四国以外のチームも加入する余地がある、という意味が込められているからだ。

四国アイランドリーグから遅れること2年、北信越でも独立リーグ立ち上げの動きが起こる。広告代理店・電通東日本の営業マンだった村山哲二が奔走し、2007年、石川、富山、新潟、信濃の4チームによる「北信越ベースボール・チャレンジ・リーグ」がスタートした。

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