四国の野球「独立リーグ」、今も見えぬ未来図 生き残りに向けて、所属4球団が続ける挑戦

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野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」の高知ファイティングドッグスの試合に出場する元メジャーリーグのトップ選手、MLB通算555本塁打のマニー・ラミレス。リーグの所属チームからは全国区の話題も発信されてはいるが、観客動員の面などで根深い課題もある(筆者撮影)

今まで日本プロ野球(NPB)にも来たことのない、ケタ外れの超大物選手が野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」の高知ファイティングドッグスでプレーしている。

その名はマニー・ラミレス。日本でプレーすることが新聞などで盛んに報道されたので、米メジャーリーグ(MLB)に明るくなくても、名前だけは耳にしたことがあるという人も多いだろう。MLBで放った本塁打は通算555本。これは歴代でも15位に入る記録だ。首位打者、本塁打王、打点王、ワールドシリーズMVPのタイトルもそれぞれ1度ずつ獲っている。

生涯年俸はイチローの1億6330万ドル(約180億円)をうわまわる2億0682万ドル(約229億円)。2011年を最後にMLBを離れてはいるが、ケタ外れの超大物という表現は大げさなものではないのだ。

あの「マニー」が、高知のチームにきた!

現在の登録名はマニー。高知に来たきっかけは、チームの外国人選手、ザック・コルビー内野手がマニーのSNSに書き込みをしたことだったという。思いのほか乗り気になったのを球団側が聞きつけ、経営陣がアメリカに乗り込んで交渉、入団にこぎつけた。

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5月末、梅雨入り前の高知市野球場では、ビールがバカ売れしていた。スタンドには臨時の桟敷を設置。観客は靴を脱いで桟敷に上がり込み、ビールを勢いよく飲み干していく。

「『99円ビール』が当たりました!」高知ファイティングドッグス社長、梶田宙の声が弾んだ。「高知ではお酒を飲まないと何事も始まりませんから」。

もちろん、スタンドのお客がこれほど盛り上がり、ビールを次々と注文していくのは、1杯99円だからというだけではない。何よりも目の前のグラウンドにマニーがいるからだ。その興奮が観客を包んでいた。

実力は折り紙付きであるものの、MLBではとかく選手や報道陣との軋轢が多いために問題児とされていたマニーだが、どうやら高知の生活が気に入ったようだ。

自転車で街を走り回り、お年寄りにも気軽に声をかける。あるときなど、消防団の宴会に飛び入りで参加した。「マニーが電話口でファイアステーションがどうのって言ってるんですよ。何のことかと思いましたね」と副社長の北古味潤は破顔する。その宴会でマニーはカツオのタタキをおいしそうに食べたという。

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