「5月の株売り」、連休明けは何に警戒すべきか

欧米中央銀行の動きが早まる可能性も

トランプ大統領は4月21日に税や金融規制を見直すよう指示する大統領令に署名、26日にムニューシン財務長官(右)は法人税率の引き下げを含む税制改革案の概略を発表した(写真:ロイター/アフロ)

トランプ米国大統領の1月20日の就任から100日が経過したが、トランプ政権に振り回される相場展開が続いている。それでも過去2年と明らかに異なるのは、(1)中国主体に新興国経済の持ち直し、(2)原油価格の安定により、米国が牽引する形で世界経済が回復しており、明るさが増していることだ。トランプ政権への過度な期待は剥落しても、ファンダメンタルズの改善は米株上昇を後押ししている。

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4月18日発表のIMF(国際通貨基金)世界経済見通しでは、世界の成長率が2016年実績プラス3.1%、2017年プラス3.5%、2018年プラス3.6%と予想。2016年で下げ止まり、2018年に向けて成長力を強めていく姿が示された。牽引役は米国であり、2017年プラス2.3%、2018年プラス2.5%との見通しで、2%程度とみられる潜在成長率を上回る成長を続ける。

ユーロ安の恩恵を受けた欧州もしっかり。製造業回復の日本や中国にも追い風が吹いている。新興国も昨春の資源価格の底打ちにより、概ね上向きの動き。ただし中東産油国では2017年はまだ下方修正が続いており、回復力を強めたロシアとは明暗が分かれた。5月25日のOPEC総会では、価格維持のため減産合意の延長が見込まれる。

「非鉄金属」の価格は世界景気の先行指標

他方、中国は2017年の成長率が2回連続の上方修正と世界経済回復の立役者だが、足元ではバブルの懸念もある。それでも今年は中国にとって5年に1度の共産党大会を秋に控える重要な年で、習近平主席が景気失速を回避すべく対応することが期待されよう。2017年にプラス6.5%を超えた後、2018年にプラス6.2%ならば健全な不動産調整をこなした減速であり、望ましいソフトランディングシナリオと言える。

経済の体温計が物価であるなら、世界経済の体温計は、非鉄金属の価格動向だと筆者は考えている。具体的には、銅は電線、亜鉛はメッキ鋼板、アルミニウムは輸送用機器や建築物の構造材料として多用されており、鉄道や道路といったインフラに欠かせない金属だ。世界的な景気拡大局面では、需要が強まることから、経済データが上向くよりも先に上昇の動きが見えるもの(景気の先行指標)となる。

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