英国EU離脱で最も影響を受ける国はどこか

EU離脱通告後の英ポンドは買えるのか

英国とEUは2年間にわたる「離婚協議」を開始。結局、離脱で「漁夫の利」を得るのはどこなのか?(写真:AP/アフロ)

今後の2年間は「離婚協議」

3月29日、英国政府はリスボン条約第50条に基づき、EUに対する離脱通告を行った。史上初めてのEU離脱プロセスの始まりである。

より具体的には、テリーザ・メイ英首相からリスボン条約第50条を通知する書簡を受け取ったドナルド・トゥスクEU大統領は、48時間以内に離脱交渉に向けた方針案を、その他の加盟国(27カ国)に配布する。

この方針を採択する臨時のEU首脳会議が開催されるのが4月29日である。その後に加盟国の外相から構成されるEU閣僚理事会が交渉開始を承認し、詳細な内容に関する交渉指令を検討し始める。この指令が承認されて初めて、EUはミシェル・バルニエ首席交渉官の下で離脱交渉に着手できるようになる。

先行きを見据えれば、交渉完了期限である2019年3月末というタイミングは、同年6月に欧州議会選挙を控えるEU、2020年5月に総選挙を控える英国の双方にとって悪いものではない。

だが、2年間で両者の「新たな関係」にまつわる交渉が完了すると考える向きは少ない。今年1月、英国政府との「感情的な対立」を理由として駐EU大使を突然辞任したアイバン・ロジャース氏は、「EUと新しく結び直す貿易協定の締結には10年かかる」と述べていた。同氏が辞任した背景には、こうした長期見通しについて、英国政府報道官が「2年で十分」と一蹴したことがあったと報じられている。

現実問題として、残された時間はかなり少ない。まず、「今年9月に実施されるドイツ連邦議会選挙の終了まで交渉は進展しない」との見方は、もとより多い。だとすれば、残された交渉期間は1年半である。さらに、離脱に関する加盟国や欧州議会の承認手続きに半年程度の時間が必要ともいわれている。ということは、実質的な交渉期限は2018年9月である。

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