テレビが勘違いしている視聴者ニーズの現実

視聴率至上主義、似た番組ばかりで「誰得?」

さらに14日、ホームレスの男性らを「犬男爵」と呼ぶなどの不適切な表現をした「白熱ライブ ビビット」が、BPOの審議入りしたことが明らかになりました。もともと同番組は、「報道・情報番組にバラエティの演出を採り入れて、裏番組との差別化を図ろう」としていたという背景があります。芸人のコメンテーターが多いのもそのためであり、「ときどきさじ加減を間違えてしまう」というバラエティの悪癖が他ジャンルの番組にも波及してしまいました。

TBSのバラエティには、最盛期のフジテレビが武器にしていた「底抜けの明るさ」「何が飛び出すかわからない魅力」を感じる番組もたくさんあります。それだけにカギを握っているのは、制作サイドが“自分たちが作りたいバラエティ”にこだわりすぎず、視聴者のニーズから外れない範囲で面白さを追求できるか。若手のプロデューサーや演出家が台頭しているだけに、他局よりも視聴者ニーズに柔軟な対応ができるかもしれません。

「過去の成功」と「手堅い策」でさまようフジ

最後に、視聴率競争で苦戦が続くフジテレビ。近年の低迷で大幅な改編を続けていたこともあって、今春はあまり動きが見られませんでした。いわば、「このところ変えてばかりだから、ガマンして番組を育てよう」ということでしょう。

その中でスタートするのは、「潜在能力テスト」「クイズ!金の正解!銀の正解!」の2番組。いずれもクイズ番組であるところに、フジテレビの苦悩が見て取れます。そもそもクイズ番組は、「ファミリー層を手堅く狙える」一方で、「高視聴率は期待できない」という微妙なコンテンツ。「本当はホームランを狙いたいけど、今は1本のヒットでも欲しい……」という本音が聞こえてくるようです。

対照的に、今春で深夜枠に降格したのは、「超ハマる!爆笑キャラパレード」。1980年代のキャッチフレーズ「楽しくなければテレビじゃない」への回帰を狙うような“フジらしい”番組だっただけに、スタートからわずか1年での撤退に「ガッカリしている」という声も届いています。

一方、視聴率の低迷が叫ばれて久しい長寿番組の「めちゃ×2イケてるッ!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」、月9ドラマは続行が決定。「これまでどおり、固定ファンを大事にしつつ、どうやって新規ファンを獲得するか」という命題を追い求めています。

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