柴又の葛飾区職員寮が「寅さんホテル」に変身

1泊4000円から!不要な官舎は稼ぐ施設に

東京葛飾区柴又に3月にオープンした宿泊施設「柴又ふーてんベッドアンドローカル」。もともとは、葛飾区の職員寮だった。「不要な施設」が、「カネを稼ぐ施設」に生まれ変わった
欧米に比べ遅れている公的不動産活用をどうすればいいのか。経営と街づくりの視点から鋭く切り込む木下斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)、「共通価値経営」を標榜する野尻佳孝(テイクアンドギヴ・ニーズ会長)、リノベーションなどで優れた実績を誇る馬場正尊(オープン・エー/東京R不動産)の3人が、ホスト兼パネリストとして毎回ゲストを迎え、「新しい日本の公共不動産のあり方」をビジネス視点で考える「パブリック・アライアンス・トーク」。
第3回のゲストはタリーズコーヒージャパン創業者で前参議院議員の松田公太氏と、連続起業家でありMistletoe株式会社社長 兼 CEOの孫泰蔵氏。3回に分けてお送りするトークの「2回目」は、官舎や公共住宅について。「一等地にある、殺風景な官舎」はどうすればいいのか。 5人が熱く語る。

公務員宿舎や旧国有企業の官舎の数は膨大

――官舎・公共住宅の活用について考えてみたいと思います。海外を見てみると、実はすでにアジアにいくつもあるのです。たとえば香港の「PMQ」。警察官用の官舎を、歴史的建造物を残しつつリニューアルし、おしゃれなショップが集結するショッピングセンターに生まれ変わっています。またベトナムでも、米軍が使っていたアパートメントが、カフェが10軒以上入居するビルとなった事例などもあります。

一方、日本国内を見ると、財務省が保有する国家公務員宿舎は2011年時点で21万8000戸もあります。現在、国はこれを25%削減する計画を進めていますが、これに旧国有企業が持っている宿舎も「官舎」と考えるとまだ膨大な戸数があります。野尻さんは、郵政宿舎の再利用を提案された経験をお持ちですね。

「一等地にある、殺風景な官舎」はどうすればいいのか? 5人が熱く語る(左から木下、野尻、松田、孫、馬場の各氏、写真提供:パブリックアライアンス事務局)

野尻:東京都の渋谷区の案件ですね。渋谷区でホテルを開発していることもあり詳しくなりましたが、空いている官舎がいくつもあり、その中に恵比寿西の郵政宿舎がありました。そこで渋谷区の区長さんに「一緒に開発してみませんか」と声をかけてみたのです。

区長さんは「区が抱えている課題を解決するような利用法にしたい」という希望を持っていました。つまり託児所や障害者の作業所、そしてシルバー層が活躍できる場などが1カ所でできないかというのです。そこで区と一緒に考えて、建物の1階には託児所と障害者の作業所を入れて、2~4階はバンクベッド(2段ベッド)を置いた低料金の宿泊施設にすることにしました。2020年の東京オリンピックを考えると、東京のホテル不足は深刻ですので、それに対応するためです。

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