「シリア攻撃」に中国と北朝鮮が警戒する理由

米中首脳会談の直前に行われた意味はある?

米中首脳会議の直前に行われた米国によるシリア空爆に対する習近平主席の反応は?(写真: Carlos Barria/ロイター)

中国の習近平国家主席が、フロリダ州にある華美なマール・ア・ラーゴ・カントリークラブに到着予定のほんの数日前、ドナルド・トランプ大統領は中国の指導者との首脳会談に対する自らの「抱負」を明かしていた。

貿易と経済についてはいつもどおりの「トランプ節」が炸裂(さくれつ)。米国を「レイプした」と繰り返し非難してきた国との取引については、「われわれが両国にとって非常にドラマチックですばらしいことを成し遂げることがあったとしても驚きはないだろう」と、トランプ大統領は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に語った。

また、このほかに「北朝鮮問題が議題になるだろう」と予測。これについても、貿易などと同じように芝居がかった言葉で予測を示した。「中国は北朝鮮に対して大きな影響力を持っている。そして、中国は北朝鮮問題をめぐって、われわれを支援するのか、あるいはしないのかの判断を迫られることになる。支援するのであれば、これは非常に中国のためになるだろうし、支援しないことは誰のためにもならない」。

米国のシナリオを壊した2つの事件

はたして、フロリダでの首脳会談は「泣き言」で終わった。経済面では意外なことに、首脳会談の話題はこれまでと大きく変わらず、トランプ大統領は中国に「公平性」と、貿易交渉のペースを加速させるというあいまいな約束を要求した。一方、北朝鮮問題については、レックス・ティラーソン国務長官が報道陣に詳しく述べたように、両首脳は長年の目標である非核化を繰り返し口にしたが、「これに向けて議論するような包括的な提案はいっさいなかった」。

米国が当初描いていたシナリオどおりにいかなかった背景には、2つの事件がある。1つは、シリアのアサド政権が自国民に対して化学兵器攻撃を行ったと見られることに対して、米国が大規模なミサイル攻撃を決めたことである。

もう1つ、これと同じぐらい重要だったのが、スティーブ・バノン大統領首席戦略官を中心とする自称「経済ナショナリスト」たちと、ゴールドマンサックス元社長で、主席経済顧問のゲーリー・コーン氏や、大統領の義理の息子、ジャレッド・クシュナー氏などの「伝統的な国際主義者(言ってみればグローバリスト)」との間に、分裂が生じたことである。この「亀裂」に関する報道が出たのは、米中首脳会談の直前だった。

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昨年の米大統領選で、トランプ氏は中国に対して攻撃的だった。大統領就任後は、打って変わって融和的だ。ポイントは北朝鮮問題。流動的な米中関係の狭間で日本が進む道を示す。